院長の独り言

2025-11-13 09:40:00

胆石について

 

木々の葉もオレンジ色に色づき始め紅葉が進んでいます。師走も目の前です。今日は胆石のお話です。

成人病の検査で胆石を指摘される人が増えています。胆石とはいったいどんな病気なんでしょうか?

胆石は、肝臓で作られる胆汁を元に形成されます。胆汁の成分は、コレステロール、胆汁酸、リン脂質、ビリルビンなどです。

普通は胆汁は、肝臓から総肝管を通って胆のうに溜まり、一度胆のう内で濃縮されます。十二指腸に食べ物がくると胆のうが収縮をして、胆汁は総胆管を通って十二指腸に流れていきます。十二指腸では脂肪の消化を助けたり、ビタミンの吸収に役立ったりします。便の黄色い色は胆汁の色です。

通常は、肝臓から十二指腸まで滞ることなくスムーズに胆汁は流れていきますが、胆のう内で長時間濃縮されたり、コレステロールの成分が多すぎたり、細菌の感染が起こったりすると、胆石が形成されます。

最近の報告では、成人の5~10%に胆石を持っていると言われており、規則正しい食生活、肥満やコレステロールへの注意が必要です。




2025-09-12 10:49:00

慢性肝炎について

昨日の午後からの激しい雨とおそろしい雷の音には驚かされました。今日もまた雷雨の可能性もあるようなので注意しましょう。

前回に引き続き、今回は慢性肝炎についてお話させていただきます。

慢性肝炎のほとんどはウイルス性です。その中でもB型慢性肝炎とC型慢性肝炎が主です。自己免疫性肝炎などがありますが少数です今回はB型慢性肝炎とC型慢性肝炎について解説します。ウイルスの種類によって慢性化のしくみがかなり異なります。

B型慢性肝炎は、ほぼすべて、出産時や幼少児期にB型肝炎ウイルスが体内に入り、健康キャリアーとしてウイルスを持っている状態から発症します。健康キャリアーの人が30才を越えた頃から、炎が起こりはじめ慢性に経過する病気です。

B型肝炎ウイルスが大人に感染しても、慢性肝炎になることはほとんどありません。大人に感染すると、急性B型肝炎になって治癒するか、不顕性(ふけんせい)感染として、肝炎を発症するすることなく治ってしまうか、まれに、劇症肝炎になって肝不全になるかです。B型肝炎ウイルスが幼少児期に感染した場合にのみ、健康キャリアーから慢性肝炎になるのです。

C型肝炎ウイルスは、幼少児期・成人に関わりなく、急性肝炎から慢性肝炎になる場合があります。これは、C型肝炎ウイルスを体から排除する機構がうまく働かない場合があるからです。急性肝炎が治りきれず、ウイルスが残ってしまうと慢性肝炎としてくすぶってしまうわけです。慢性肝炎の状態が長く続くと、肝硬変になる場合があります。

2025-07-12 11:25:00

急性肝炎について

昨日今日と涼しく、ほっと一息つけますね。今日は急性肝炎についてお話します。

急性肝炎を起こす原因の多くはウイルスです。ウイルスとしてはA型からE型までの肝炎ウイルスが急性肝炎を引き起こします。肝炎ウイルス以外のウイルスでは、EBウイルスやサイトメガロウイルスなどが肝炎を引き起こします。その他の原因としては薬剤によるものやアルコールによるものなどがあります。

急性肝炎の症状は、発熱、食欲低下、全身倦怠感、黄疸が特徴です。黄疸が出る前の症状として、発熱や食欲低下、全身倦怠感が主に見られますが、風邪の症状とそっくりのため、黄疸が出て初めて急性肝炎と気がつく場合もあります。

ウイルス性の急性肝炎ではほとんどの場合、入院をして安静と点滴、食事療法で治療を行い、1ヶ月位で治る場合が多いようです。薬剤性の肝炎やアルコール性の肝炎の場合は原因物質を中止して、肝臓を休ませることが治療の中心となります。

急性肝炎の中できわめてごくまれに、劇症肝炎といって、一気に肝不全に進行してしまう急性肝炎もあるので、治療担当の医師の指示に従うことが大切です。

2025-05-25 20:36:00

心筋梗塞とは

しばらく涼しい日が続きます。本格的な夏を前に涼んでおこうと思います。 今日は心臓についてお話します。 心臓は、血液を全身に送り出すためのポンプの役目をしています。ポンプを動かしているのは筋肉で、この心臓の筋肉のことを心筋(しんきん)と言います。 筋肉を動かすには、栄養と酸素が必要です。栄養と酸素を運ぶ血管を冠動脈(かんどうみゃく)と言います。この冠動脈が動脈硬化で狭くなり、血栓で詰まってしまうのが心筋梗塞です。ちなみに梗塞とは、血管が詰まるという意味です。 心筋梗塞の症状は、激しい胸痛・胸の圧迫感・冷汗・嘔吐などがあります。左肩に痛みが広がったり、下顎の痛みがでる場合もあります。ポンプである筋肉に栄養と酸素が途絶えますから、ポンプの働きが悪くなり、心不全が起こったり、ショックになったり、致命的な不整脈が発生したりします。 心筋梗塞になりやすい人は、高血圧、糖尿病、高コレステロール血症などの病気を持っている人や喫煙者です。これらの病気を持っている人は、治療に専念しましょう。禁煙も必要です。
2025-04-25 10:34:00

うつ病とは

今日は朝からどんよりした空です。にわか雨が降るところもありそうですね。

うつ病というと、一昔前は、精神科で診てもらうめずらしい病気という印象でした。最近はストレス社会で、誰もがかかることがある病気となりました。最近のうつ病の特徴はどんなものがあるのでしょうか。

 

古典的なうつ病の特徴は、繰うつ病といって、繰の状態と、うつの状態が交互に周期的に繰り返される病気です。しかし最近では、うつだけが表面にでるうつ病が多くなっています。うつ病の症状の特徴は、抑うつ気分、元気がでない、何となくだるい、食欲が出ないなどが多くみられます。症状が重くなるにつれて、考えがまったくまとまらなくなったり、自殺念慮が見られたりします。

 

うつ病の場合は、仕事がはかどらない、何となく元気がないなどの症状が見られるため、周囲の人は、つい励ましたりしがちですがこれは厳禁です。うつ病の患者さんは、頑張りたくても頑張れない状況になっていますから、励ましをすればするほど、頑張りが空回りしすぎて余計に病気を悪くします。

 

うつ病の患者さんは、必ず何らかの睡眠障害が見られます。周囲の人で気づいた人は、休養をとらせることと、専門の医師に相談するように勧めることが必要です。最近、比較的副作用の少ない使いやすい薬が出てきています。早めに治療を開始すれば、社会復帰ができる例が多いのも特徴です。

 

 

 

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