院長の独り言

2025-03-05 18:00:00

ウイルス性肝炎について

肝炎を起こす原因には、肝炎ウイルスや薬剤、アルコールなどがあります。肝炎ウイルスによる肝炎について説明します。

 

肝炎ウイルスは、現在はっきりわかっている物では、A型、B型、C型、D型、E型の5種類があります。G型やTTVといったウイルスも報告されていますが、本当に肝炎ウイルスかどうか研究段階です。A型からE型までの肝炎ウイルスは大きく2種類に分けられます。

 

A型とE型は、流行性肝炎を引き起こすウイルスです。感染経路は口からウイルスが侵入し便から排出されます。汚染された水や食べ物によって感染します。一方、B型、C型、D型は血清肝炎を引き起こすウイルスです。感染経路は血液です。輸血や汚染された注射器をの使用(覚醒剤など)、出産、性交などで感染します。

 

また、流行性肝炎を起こすA型、E型肝炎ウイルスは急性肝炎しか起こしません。一方血清肝炎を起こすB型、C型、D型肝炎ウイルスは、急性肝炎も慢性肝炎も引き起こします。D型肝炎ウイルスは日本ではまれで、B型肝炎ウイルスを持っていないと感染できません。現在問題になっている肝硬変や肝癌に関係しているのは、慢性肝炎を起こすB型、C型肝炎ウイルスです。