院長の独り言

2022-03-12 09:06:00

血液について

お久しぶりです。

すっかり暖かくなりました。皆さま、いかがお過ごしでしょうか。

早速ですが。。問題です。人の場合、血液ってどこで作られるのでしょうか?

答えは、骨髄です。骨髄とは骨の中心部です。

血液の中には、赤血球、白血球、血小板というものがあります。赤血球は、血液を赤く見せている小さな粒(顕微鏡でみると円盤状をしてます)です。血液の液体そのものが赤いわけではありません。採血をした後しばらく放っておくと、赤血球が下に沈み、上澄みは淡黄色の液体となります。赤血球の働きは主に酸素を運搬します。

白血球は、病原体の駆除にあたります。病原体を食べたり、病原体の在処を知らせたりして体を病原体から守ります。病院で採血する理由の一つは、もし細菌感染がある場合は、骨髄から白血球が動員されるので、白血球数が増えているかどうかを調べるためです。

血小板は、血液を固める働きがあります。血管が障害を受けて出血が起こると、血小板が集まり、血液凝固のための化学反応が起こります。いろいろな病気で血小板が少なくなると血が止まりにくくなったりします。

これらの血球を除いた後の液体の中に栄養成分や電解質などが含まれています。体の隅々に栄養を行き渡らせます。血液はこれらの役割があるのです。

 

 

 

2021-12-13 23:14:00

不整脈

普通、健常人の心臓は安静にしている時には1分間に約60~80回、規則正しいリズムで拍動しています。運動をすれば、全身の筋肉に酸素と栄養が必要となるので拍動が増えます。心臓の中には電気が伝わる神経があり、心房の収縮の後に心室が順番に収縮していくようになっています。

手首のところに走っているとう骨動脈の拍動を触れることで脈をとります。1分間の拍動数が脈拍数です。通常、心臓の拍動の数と脈拍の数は一致しているので、脈をとることで心拍数をカウントしているわけです。

不整脈では、正しく電気が伝わらなかったり、よけいな電気が発生したりします。不整脈が出ると、脈が規則的でなくなったり、脈が飛んだりします。

また、急に脈が速くなったり極端に脈が遅くなることもあります。実際は心臓が拍動していても、手首の脈は触れないことがあります。不整脈の種類は様々です。

生理的不整脈もあります。息を吸った時は脈拍は遅くなり、吐いた時は速くなります。これは、正常であり治療の必要はありません。

 

 

 

 

2021-11-19 10:29:00

動悸について

今夕見られる部分月食はかなり深く、ほぼ皆既月食に見えるといいます。
ちょっと夜空を見上げてみようと思います。
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動悸の時の心臓の拍動は、規則的な時、不規則な時、脈が速い時、脈が遅い時など様々です。心臓に全く異常がなくても、自分の心臓の拍動が自覚すれば、これは動悸の症状です。

健康な人でも動悸を自覚したことがあるでしょう。たとえば、激しい運動をした後、激怒した時、コーヒーやお酒を飲み過ぎた時など、「ドキドキ」する症状の事です。でもこれらの場合は、時間がたてばおさまってしまいます。こういった生理的な原因以外で動悸がおこる場合があります。

動悸の原因は3つに分けられます。
第一に心臓に原因がある場合は、各種の不整脈や心臓の弁疾患、心筋梗塞などの心臓病などで動悸が出ます。
第二に心臓以外の原因がある場合として、発熱や貧血、甲状腺機能亢進症、低血糖発作やその他のホルモン異常などです。この場合は脈が速くなって動悸がおこります。
第三の原因として、精神的な不安状態があります。心臓神経症などのように、心臓やその他の内蔵に異常がなく、脈拍も正常な場合であっても、動悸が感じられる場合があります。

気になる動悸は、どうぞご相談ください。




2021-11-09 09:31:00

動脈硬化

今日は朝から雨降りで、肌寒い一日となりそうですね。
今回は動脈硬化について話をさせていただきます。
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動脈硬化とはよく聞く言葉だと思います。
動脈が硬くなることとはどんなことなのでしょう。なぜ良くないことなのでしょうか?

動脈は体の隅々に栄養と酸素を運ぶ管です。この管の内側には内膜があり、この内膜は様々な原因で障害を受けます。内膜が障害を受けるとそこに炎症を起こす細胞が集まり、その部分を硬く狭くしてしまいます。石灰が沈着してしまうこともあります。そうなると本来軟らかい管だったものが、硬くもろくなってしまいます。

ちょうど、古くなったゴムのガス管の内側にススがついて細くなったりヒビが入ったりするのに似ているかもしれません。そうなると、詰まってしまったり、破れてしまったりする危険性がでてきます。これが動脈でおこると、血栓症や出血ということになります。

軟らかい動脈は老化で少しずつ硬くなりますが、動脈硬化が早く進んでしまう病気があります。高血圧や糖尿病や高コレステロール血症などがそうです。これらの病気を持っている方は医師とよく相談して、しっかり療養を続けてください。




2021-10-20 08:51:00

免疫のしくみ

昨日の肌寒さから一転して、今日は20度を上回るようですね。
今回は免疫のしくみについてお話させていただきます。
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侵入した病原体から体を守るしくみ=免疫は、私たちが気づかないうちにいろいろな働きをしています。
免疫学はとても難しい学問ですが、わかりやすく説明してみます。


血液中の血球のうち、白血球が免疫を担当しています。白血球の大部分が好中球とリンパ球です。好中球は、食細胞といわれていて、侵入した微生物を食べて消化してしまいます。しかし、どんな物を食べたかの記憶を残しませんし、病原体の場所まで行かないと食べられません。

リンパ球には、T細胞、B細胞、NK(ナチュラル・キラー)細胞などがあります。本来の免疫細胞は、この3種類の細胞が中心です。T細胞は、現場に行って病原体(抗原)を認識して、これが異物であれば攻撃をします。それと同時に、B細胞にこの病原体に対する抗体を作るように命令を出します。

B細胞の作った大量の抗体は血液中を流れていき、病原体に接着してこれを不活化します。B細胞は現場に行かなくても抗体という飛び道具を使って効率良く病原体を駆逐できるのです。

またT細胞、B細胞ともに、一度出会った病原体を覚えていて、同じ病原体と再会した時は、すばやく攻撃をしかけることができます。

T細胞,B細胞が抗原に対して特異的に働きますが、NK細胞は、おかしそうな細胞にはだいたい反応する細胞です。主に、ウイルスに感染した細胞や癌細胞の一部に対して反応します。T細胞やB細胞が働くまでの時間、このNK細胞が病原体に感染した細胞を処理します。

このように生体には病原体に対して二重、三重の防御機能が働いているんです。




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