院長の独り言

2021-01-13 14:04:00

聴診器で何を聞いているのでしょうか?

風邪の時に病院に行くと、医者が聴診器を使うのを経験された方は少なくないと思います。
さて聴診器で何を聞いているのでしょうか?
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胸に聴診器を当てる場合は、複数の場所の音を聞きます。それは主に心臓の音と肺の音を聞くのです。心臓の音を聞くときは、心臓の形にそって聴診器を当て、心音や心臓の雑音などを聞いています。当てる場所によって聞こえる心音の強さや種類が違うので病気の発見につながります。
また、肺の音を聞く場合は胸と背中に聴診器を当てて、左右を比較しながら呼吸音を聞きます。気管支が狭くなっていたり、痰が詰まっていたりすると音が変わるので病気を疑うことができます。

腹部の病気の場合は、おなかに当てる場合があります。これは腸の音を聞いているのです。腸の音を聞くことで腸が強く動いているか、腸の働きが弱っているかがわかります。腸閉塞などの状態も判断できます。その他にも、聴診器を首に当てることもあります。これは首の血管雑音を聞いているのです。




2021-01-12 11:56:00

みぞおちの痛みは、胃の痛み?

はじめまして。院長の小柳です。

皆さんは、中学・高校で保健体育の講義を受けた経験がおありと思います。
公衆衛生の知識や体のしくみを理解しておくと便利なことがたくさんあります。
ここでは医師の立場から、知っていて役に立つ医学と健康の知識を簡単にまとめてお届けします。
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食べ過ぎたりして「みぞおち」の痛みを経験したことのある人は結構いるんでしょう。
「胃が痛む~」って感じですよね。でも、私たち医者の間では「みぞおち」の痛みがあると聞くと、いろんな原因を考えないといけないんです。そう、「みぞおち」の痛みイコール「胃」の痛みじゃないんです。

実は「みぞおち」には、腹部の全体の痛みを表現する神経が集中しているんです。もちろん、胃や十二指腸の病気で痛むこともありますが、胆石の痛みや膵臓の痛みも「みぞおち」が痛みますし、虫垂炎(いわゆる「もう腸」)の初期も「みぞおち」が痛みます。さらに、心筋梗塞の時の心臓の痛みも「みぞおち」が痛むことがよくあります。胃が痛むと思って薬店で胃薬を買って飲んでも、実際は胃が悪いのではない場合もあるので「あまり効かなかった~」という場合もあるんです。

繰り返す「みぞおち」の痛み(いわゆる胃のあたりの痛み)がある場合は、ご相談ください。