院長の独り言

2024-05-03 12:45:00

消化のしくみ

心地よい風吹く皐月晴れです。皆さま、いかがお過ごしでしょうか。

今日は消化についてのお話です。

食物中の3大栄養素は、糖質、蛋白質、脂肪です。これらはどのように体の中で消化されているのでしょう。

消化とは栄養素を体の中に取り込むために食物をある程度まで小さくする働きのことです。消化作用には、歯で噛んだりする機械的消化、消化酵素によって分解する化学的消化、消化しきれずに大腸まできた食物を腐敗・発酵させる生物学的消化の3つがあります。

 ごはんやパンなどの糖質は、唾液の中のプチアリンという酵素によって、でんぷんがデキストリンや麦芽糖に分解された後、小腸の中で膵臓から分泌されるアミロプシンという酵素で本格的に消化されてしょ糖や乳糖になります。そこで小腸粘膜から吸収され毛細血管に入ります。

 肉や魚などの蛋白質は、胃液の中のペプシンによって分解されて分子の小さいペプトンとなり、小腸内で膵臓から分泌されたトリプシンやキモトリプシンによってより小さいポリペプチド、オリゴペプチドになり、小腸粘膜から吸収されます。

 脂肪は、小腸に至るまでほとんど消化を受けませんが、膵臓から分泌されてステアプシンによって、グリセロールと脂肪酸に分解され、小腸粘膜からリンパ管に入り、全身を回ります。

 3大栄養素が小腸で消化しきれなかった場合は、大腸において腸内細菌の働きで糖質は発酵、蛋白質や脂肪は腐敗して排便に適した形まで変化した後、排出されます。大便特有のガスと臭いはこうして発生するのです。