院長の独り言

2021-07-02 15:08:00

腎臓の働き

今週に入って本格的な梅雨シーズンの到来ですね。
そして当院でもコロナワクチンの個別接種が始まりました。
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腎臓は左右の腰のあたりにあるソラ豆の形をした内臓です。ちょうど握りこぶし程度の大きさです。

腎臓の働きは、大きく分けて3つあります。1つ目は尿を作る働きです。2つ目は赤血球をつくるホルモンを作る働きです。3つ目は体の酸度を調節する働きです。腎臓の中の糸球体(しきゅうたい)でろ過されて、尿細管(にょうさいかん)を通って腎盂(じんう)に集まり、尿管を通って膀胱にたまり、排尿されます。

赤血球は、エリスロポエチンというホルモンの働きによって骨髄で作られますが、このエリスロポエチンを分泌しているのが腎臓です。腎不全になると貧血になるのは、このエリスロポエチンが少なくなるからです。腎性の貧血に対してはエリスロポエチンの注射薬がよく効きます。

体の酸度は、腎臓の尿細管という部分で調節されています。水や塩分、重炭酸イオンは、糸球体でろ過されてしまいますが、尿細管において、体の酸度が適当な値になるように、再吸収されます。この再吸収の程度によって体の酸度が調節されています。





2021-06-24 12:25:00

「尿」を見るとわかること

今日は昨日と打って変わっての梅雨空。
自由が丘でも午後、一時的に雨足が強まりました。
大気不安定、雷雨、ひょうという言葉をよく耳にします。

今週は尿についてお話しましょう。
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人間の排泄物である尿と便の違いはわかりますか?

簡単に言えば、尿は血液の中の不要な物、便は腸の中で不要になった物です。尿は腎臓で作られます。腎臓は血液の中から必要のない物質を濾過・濃縮して尿ができます。一日の尿量は普通の場合1.5リットルです。

尿をみると体のいろいろな状態がわかります。蛋白が混じる場合は腎臓の病気が隠れていることがありますし、糖が混じる場合は糖尿病がないかどうかを調べます。潜血(血液成分が混じる)反応があれば、腎臓や膀胱の病気・尿管結石などを調べます。

尿中の塩分量を調べることで、一日に摂取している塩分の量を推測できるのです。たとえば、尿中塩分量が1リットル中8グラムであれば、その1.5倍の12グラムが一日塩分摂取量です。

高血圧の予防などのために、一日の塩分摂取量を10グラム以下にすることをお勧めしています。




2021-06-17 17:01:00

欠伸(あくび)

東京も梅雨入りしたといいます。
が、突然の土砂降りに見舞われたり、急に晴れ上がったり、なんだか慌ただしいです。

今週はあくびのお話です。
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眠い時とか、眠くなる話を聞いたりしている時ってあくびがでますね。これは酸素不足で眠くなった脳に酸素を送り込むための反応ではありません。
あくびを思いっきりした時の体の姿勢を思い出してください。

口を開けるのと同時に、手足や体を伸ばしているでしょう。口を大きく開けると口の周りの筋肉が強く引き伸ばされ、さらに体の筋肉が引き伸ばされることで、筋肉の中の感覚受容器にインパルス(電気刺激のこと)が発生します。意識をコントロールして覚醒させている脳の部分は網様体(もうようたい)です。退屈になったり、眠くなったりすると網様体の活動が低下します。

あくびには、この網様体に対して末梢の筋肉の中の感覚受容器から発生したインパルスを送り込み覚醒状態を保っておく働きがあるのです。猫などが昼寝からさめると手足(全部足か?)を伸ばしているでしょう。これも完全に目を覚ますための行動なのでしょう。あくびの時にする背伸ばしは、無意識に行う一種のストレッチ体操です。
あくびは思いっきりしたほうが効果的です。




2021-06-04 16:35:00

アルコールのお話~②

今日は昨日と打って変わって、雨模様。肌寒いぐらいですね。
今週も引き続き、アルコールについてのお話です。
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アルコールを「絶対飲んではいけない人」がいます。
つまり『断酒』をしないといけない人です。

アルコールの制限には『
節酒』・『禁酒』・『断酒』の3種類があります。『節酒』はアルコールの量や飲む頻度を減らすことです。『禁酒』は一定期間アルコールを禁止する制限法です。一方、『断酒』は『酒を絶つ』、つまり一生飲まないことです。

『断酒』しなければならない人は、アルコール依存症の人です。飲み始めたら量が増えていろいろな障害をおこしてしまい、アルコールを正しく飲むことができない人です。これはアルコールという薬物の依存になってしまっている状態です。一昔前のアルコール依存症のイメージは、いわゆる『アル中』で浮浪者的なイメージでしたが、最近では仕事を持っているアルコール依存症の人が増えています。

近頃は企業もアルコール依存症に関心を持っているようです。アルコール依存症になると、遅刻が増えたり、生産性が落ちるので企業としても放置できなくなっています。まじめにせっせと仕事をしているように見える人でも、意外と酒がやめられなくなっている人がいます





2021-05-26 16:32:00

アルコールのお話~①

今晩は、皆既月食がみられるそうです。ゆっくりと夜空を見上げてみようと思います。

今週はアルコールのお話をお届けします。
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昔から『酒は百薬の長』といって、日本人の生活に欠かせないものとなっています。仏事や祝い事では必ずといって良い程アルコールが出てきます。
アルコールは適量であれば『百薬の長』になることが多いのですが、量が過ぎると良くないことが起こってきます。
アルコールの飲みすぎは肝臓に悪いと考える人が多いでしょう。しかし、
アルコールの害は肝臓だけに起こるのではないのです。

アルコールでダメージを受けるのは、
脳・心臓・膵臓・胃腸や食道・骨です。糖尿病や痛風になることもあります。意外と知られていませんが、脳の病気(認知症のような症状になります)や大腿骨の先端が腐る病気がおこることもあります。

日本人はアルコールに強い人種ではありません。体重60~70kgの人で、ビール大びん1本分、または日本酒1合分のアルコールを処理するのに必要な時間が、平均的に3時間かかると言われています。少なくとも週に1回の休肝日と、多くても1日に2合以内に。それと、深夜0時以降は飲まないようにしましょう。




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