院長の独り言
2024-09-20 16:34:00
吸収のしくみ
消化した栄養素はどうやって吸収されるかを説明します。吸収とは、小腸の粘膜上にある栄養素が細胞内に取り込まれて毛細血管に流れていくことを意味します。
消化液などによって消化された栄養素は、小腸内の細胞に取り込まれるにはまだ大きすぎます。もっと分子が小さくないと小腸の細胞には入れません。しかし、これ以上栄養素を小さくする消化液は小腸液にはほとんど含まれていないことが最近わかりました。ではどこで栄養素をもっと小さくするのでしょう。
これは、小腸の粘膜の膜の隙間にある消化酵素によって最終的に分解されより小さい分子になって分子レベルの大きさで小腸粘膜を通過し細胞内に入ることがわかりました。これを膜消化といいます。これによって、消化と吸収を厳密に区別するのが難しくなったわけです。
膜消化によって、糖質は、ぶどう糖・果糖・ガラクトースに分解され、蛋白質はアミノ酸に分解され毛細血管に入り、肝臓へと運ばれます。これらの吸収は、十二指腸、空腸および回腸の上部で行われています。