院長の独り言
薬の飲み方
まもなく師走。皆さま、いかがお過ごしでしょうか。
今日は処方されたお薬の飲み方についてお話します。
病院でもらった薬は、食後とか食前とか飲む時間が書いてありますね。これはどんな意味があるのでしょうか?
薬は普通、胃で溶けるので、胃の中に食べ物が入っている場合は吸収が悪くなるので、吸収を良くしたい薬の場合は、食前に服用します。一般に、食前とは、食事をする前20分から30分が目安となります。
食後に服用する場合は、胃の中に食べ物が残っているので食前に内服するよりも吸収はゆっくりとなりますが、鎮痛剤など胃に負担がかかる薬などでは、食後の服用が好ましいと考えられます。また、食後の服用は、3度の食事と関連付けてのみ忘れを防ぐ効果もあります。一般に、食後とは、食直後から30分後までに服用します。
食間に服用する場合は、食べ物が残っていると薬の効果が十分に発揮できない場合などです。服用する時間は、前の食事の2~3時間後です。
薬を飲む時は、たっぷりの量の水か湯冷ましで飲むようにしましょう。十分の量の水で飲めば、それだけ早く薬が溶けで吸収が良くなります。少ない量で飲むと、食道に薬がくっついて潰瘍などをおこしたりします。水や湯冷まし以外で飲んではいけない薬もあります。薬をもらうときは薬局で飲み方をしっかり聞きましょう。
Copyright Koyanagi Toshihiko
消化のしくみ
食物中の3大栄養素は、糖質、蛋白質、脂肪です。
消化とは栄養素を体の中に取り込むために食物をある程度まで小さ
ごはんやパンなどの糖質は、
肉や魚などの蛋白質は、
脂肪は、小腸に至るまでほとんど消化を受けませんが、
3大栄養素が小腸で消化しきれなかった場合は、
3大栄養素のかたちと働き
猛暑が続きますが、みなさまおかわりごさいませんか。
今回は3大栄養素についてのお話です。
3大栄養素とは、炭水化物、脂肪、たんぱく質ですよね。
炭水化物は、糖質とも呼ばれていて、
消化吸収されるのは大部分がブドウ糖で、
脂肪は、脂肪酸を含んでいる化合物の総称です。
トリグリセリドは、エネルギーの貯蔵源として働き、
たんぱく質の原料は、アミノ酸です。
小さい形で吸収されたアミノ酸は、
自分の体内で組み替えて作ることができないアミノ酸を必須アミノ
鉄の不足と貧血の関係
貧血の中でも一番多い、鉄欠乏性貧血について少し詳しく説明しましょう。
通常は、特別な偏食がない限り、鉄分の摂取量が極端に足りなくなることは多くはありません。どういった場合に体の中の鉄分が不足してしまうのでしょうか?
まず一つは、胃潰瘍や大腸癌などの病気があって消化管からの出血がじわじわ続いていると、出血した分の赤血球を補うために骨髄での造血作用が進みますが、その時に原料である鉄が不足してきて、鉄欠乏性の貧血になります。
消化管からの出血が一度にドンと起こるとショックになったり血便がでたりして早く気づくのですが、じわじわ出血している場合には、貧血として症状に現れます。
もう一つは、女性の場合に多くみられるのは、子宮筋腫などの婦人科疾患がある場合です。子宮筋腫では、生理の量が多かったりして、定期的に失われる血液が多くなりがちで、鉄欠乏になりやすいといわれています。子宮筋腫がなくても、生理の量が極端に多かったり、長く生理が続いたりする場合も鉄欠乏の状態が起こっていることがあります。
鉄欠乏性貧血のある場合は、こういった原因が考えられるので、検便や胃カメラ・大腸検査、エコー検査などが行われることがありますので、早めにご相談ください。
排泄物について
人間の排泄物である尿と便の違いはわかりますか?
簡単に言えば、尿は血液の中の不要な物、便は腸の中で不要になった物です。尿は腎臓で作られます。腎臓は血液の中から必要のない物質を濾過・濃縮して尿ができます。一日の尿量は普通の場合1.5リットルです。
尿をみると体のいろいろな状態がわかります。蛋白が混じる場合は腎臓の病気が隠れていることがありますし、糖が混じる場合は糖尿病がないかどうかを調べます。潜血(血液成分が混じる)反応があれば、腎臓や膀胱の病気・尿管結石などを調べます。
尿中の塩分量を調べることで、一日に摂取している塩分の量を推測できるのです。たとえば、尿中塩分量が1リットル中8gであれば、その1.5倍の12gが一日塩分摂取量です。高血圧の予防などのために、一日の塩分摂取量を10g以下にすることをお勧めしています。