院長の独り言

2025-09-12 10:49:00

慢性肝炎について

昨日の午後からの激しい雨とおそろしい雷の音には驚かされました。今日もまた雷雨の可能性もあるようなので注意しましょう。

前回に引き続き、今回は慢性肝炎についてお話させていただきます。

慢性肝炎のほとんどはウイルス性です。その中でもB型慢性肝炎とC型慢性肝炎が主です。自己免疫性肝炎などがありますが少数です今回はB型慢性肝炎とC型慢性肝炎について解説します。ウイルスの種類によって慢性化のしくみがかなり異なります。

B型慢性肝炎は、ほぼすべて、出産時や幼少児期にB型肝炎ウイルスが体内に入り、健康キャリアーとしてウイルスを持っている状態から発症します。健康キャリアーの人が30才を越えた頃から、炎が起こりはじめ慢性に経過する病気です。

B型肝炎ウイルスが大人に感染しても、慢性肝炎になることはほとんどありません。大人に感染すると、急性B型肝炎になって治癒するか、不顕性(ふけんせい)感染として、肝炎を発症するすることなく治ってしまうか、まれに、劇症肝炎になって肝不全になるかです。B型肝炎ウイルスが幼少児期に感染した場合にのみ、健康キャリアーから慢性肝炎になるのです。

C型肝炎ウイルスは、幼少児期・成人に関わりなく、急性肝炎から慢性肝炎になる場合があります。これは、C型肝炎ウイルスを体から排除する機構がうまく働かない場合があるからです。急性肝炎が治りきれず、ウイルスが残ってしまうと慢性肝炎としてくすぶってしまうわけです。慢性肝炎の状態が長く続くと、肝硬変になる場合があります。