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松原スキンクリニック

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Clinic Information

松原医院

目黒区自由が丘の内科
東京都目黒区自由が丘3-10-8
東急東横線・大井町線
自由が丘駅より徒歩5分

診療内容
内科、消化器科、循環器科、呼吸器科、内分泌代謝科、アレルギー科、肛門科、神経内科、泌尿器科
胃カメラ 経鼻カメラ(ハイビジョン)、大腸カメラ(ハイビジョン)、超音波(デジタル)、レントゲン(デジタル)、大腸ポリープ切除術

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食道静脈瘤

・食道静脈瘤とは?
食道粘膜の下にある静脈の壁が膨れて、血管が瘤のようになる病気です。肝硬変症などで肝臓から出ている門脈という血管の圧力が亢進している患者さんに多くみられます。肝硬変症の64~83%と報告されています。原因となっている肝臓の病気が進行すると血管が破れて出血が起こったりします。

食道静脈瘤

・症状
静脈瘤は、それ自体は無症状ですが、原因となる肝硬変の症状(手のひらが赤くなる、胸やお腹のあたりに血管がクモ状に浮き出る、疲労感、倦怠感、黄疸など)がでます。静脈瘤が破裂した場合に吐血や下血などがおこります 。
 
・原因
門脈圧亢進症:
肝硬変などの肝臓の病気が原因で門脈の血液がうまく流れずに滞った状態になり門脈の血圧が高くなります。この血液は胃や食道へ逆流します。その結果、側副血行路の一部として、食道や胃の静脈の血液量が多くなってこぶの様にふくれる静脈瘤ができます。
原因疾患は、肝硬変症(ウィルス性、代謝性)や特発性門脈圧亢進症、アルコール性肝炎、日本住血吸虫症、肝静脈閉塞症・門脈閉塞症などがあげられます。
 
・検査
内視鏡検査:
内視鏡検査が基本となります。そのほか、CT検査、超音波内視鏡検査、経皮経肝門脈造影などが行われます。出血のおこる可能性、状態の詳細な観察、治療の効果が出ているかどうかの判断を行います。内視鏡検査により、静脈瘤の部位、形態、色調、発赤所見、出血所見、粘膜所見で、また、静脈瘤と周りの血管などの観察を行い、治療方針を決定します。
青色静脈瘤は白色静脈瘤に比して破裂の危険性が高いのです。また最も破裂の危険が高い徴候として、発赤所見が重要で、緊急治療が必要です。
 
 
・治療
緊急例(急性出血例)と待機・予防例では治療の目的が異なります。すなわち、出血に対する止血と静脈瘤の焼失を目的とする治療とに分かれます。
現在の治療法の中心は内視鏡による治療で、以下の2つの方法が行われています。
 
1.内視鏡的硬化療法(Endoscopic injection sclerotherapy : EIS)
食道静脈瘤の内視鏡的治療法として広く普及しているものです。内視鏡で静脈瘤を確認しながら、注射針と呼ばれる処置具を用いて硬化剤を注入して静脈瘤を固めてしまう方法です。
 
2.内視鏡的静脈瘤結紮術(Endoscopic variceal ligation : EVL)
食道静脈瘤を内視鏡でゴムバンド(O-リング)を用い、静脈瘤を機械的に結紮することにより壊死脱落させ、決選性閉塞と静脈瘤も荒廃を起こさせるものです。EISに比べると、患者さんにとっても侵襲が少なく、肝臓・腎臓の影響も少なく、簡便で安全性に優れていますが、再発も多いとされています。EISとEVLのメリットを生かしながら両方を併用する事もあります。
 
他に、Interventional radiology;IVRすなわち、カテーテルを使用した治療として、以下の3つの方法が症例によっては実施されています。
 
3.バルーン下逆行性経静脈的塞栓術(Balloon-occuluded retrograde transvenous obliteration;B-RTO)
 
4.経皮的経肝的塞栓術(percutaneous trans-hepatic obliteration;PTO)
 
5.経皮的肝内門脈静脈短絡術(transjuglar intra-hepatic portosystematic shunt;PTO)
 
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食道がん、胃がん、大腸がん:内視鏡治療実施により、重要疾患の早期発見・早期治療ができます。

わが国の最新がん死亡数

●2009年の死亡数が多い部位は順に

  1位 2位 3位 4位 5位  
男性 肝臓 結腸 膵臓 結腸と直腸を合わせた大腸は3位
女性 結腸 膵臓 乳房 結腸と直腸を合わせた大腸は1位
男女計 肝臓 結腸 膵臓 結腸と直腸を合わせた大腸は3位

わが国で、がんで死亡した人の数は、 2009年に344,105例(男性206,352例、女性137,753例)であり、男性が女性の約1.5倍多いのです。
部位別の死亡数は、男性では肺が最も多くがん死亡全体の24%を占めます。次いで、胃(16%)、肝臓(10.5%)、結腸(7%;直腸と合わせた大腸は11%で3位)、膵臓(7%)の順となります。女性では、肺が最も多く(13%)ただし結腸と直腸を合わせた大腸は14%で肺よりも多い)、次いで、胃(12.5%)、結腸(10%)、膵臓(9%)、乳房(8.7%)の順となっています。

食道がんの内視鏡像

通常光

ヨード染色

狭帯域光(NBI)

食道がん、胃がん、大腸がん 食道がん、胃がん、大腸がん 食道がん、胃がん、大腸がん

胃がんの内視鏡像

食道がん、胃がん、大腸がん食道がん、胃がん、大腸がん食道がん、胃がん、大腸がん食道がん、胃がん、大腸がん
内視鏡検査(胃カメラ検査)内視鏡検査(胃カメラ検査)苦痛のない内視鏡/楽らく内視鏡

胃カメラ検査(内視鏡検査)の必要性

食道 食道がん、逆流性食道炎、ポリープ、食道静脈瘤などの有無や程度
胃がん、胃炎、胃潰瘍、ポリープなどの有無や程度
十二指腸 十二指腸がん、十二指腸潰瘍、ポリープなどの有無や程度

日本国内において胃がんの死亡率は下がってきているものの、消化器系のがんはまだまだ死亡原因の上位を占めています。
特に胃がんは、早期に発見・治療すれば治癒率が高いのです。ピロリ菌が存在していれば早めに、すなわちDNAが傷つく以前の40歳までに除菌を受けることがすすめられます。

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大腸カメラ検査(内視鏡検査)の必要性

食生活の欧米化した日本では、高脂肪食の過剰摂取により大腸ポリープ、大腸がん、潰瘍性大腸炎、クローン病などが増加傾向にあります。大腸がんには直腸がんと結腸がんがありますが、特に結腸がんが急速に増加しています。動物性の脂肪を摂ると、消化のために胆汁酸が多く分泌されます。脂肪の消化の際に発生する物質のなかに発がん物質があり、大腸の粘膜にがんが発生すると考えられています。大腸がんには隆起した赤い色調のポリープ(腺腫)が大きく成長し腺がんに移行する(adenoma carcinoma sequence)タイプが多いのです。また正常大腸粘膜から突然発がんする陥凹型(de novo cancer)もあります。腺腫のうちに内視鏡的粘膜切除術あるいはポリープ切除術を受けることがすすめられます。大腸がんができやすい部位は直腸とS状結腸で、全体の約70%を占めています。直腸は大腸の全体の約10%を占めますが、全大腸がんの約50%が発生するほどがんができやすい場所です。2番目に多いのは便が長時間貯留しているS状結腸です。

結腸の区分

年齢階級別死亡率

男女とも40歳代から急激に増加し、高齢層ほど高くなる傾向が見られます。

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消化性潰瘍:胃潰瘍・十二指腸潰瘍

●胃潰瘍・十二指腸潰瘍ってどんな病気?

胃や十二指腸の内側(粘膜)は、強い酸性の胃酸や消化酵素を含む胃液にさらされているため、胃液によって粘膜が傷つかないようにするための仕組みを持っています。
胃潰瘍・十二指腸潰瘍は、ピロリ菌、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID:エヌセイド)などにより、この防御機構が傷害されて粘膜が傷つき、そこが胃液の攻撃にさらされることで、胃や十二指腸の粘膜や組織の一部がなくなる病気です。
これにより、胃部の痛みや不快な症状を感じたり、さらに病気の程度が悪くなると、その部分から出血して吐血や下血(便に血液が出ること)、穿孔(胃・十二指腸に穴があくこと)、腹膜炎などの症状が起こったりします。
胃潰瘍・十二指腸潰瘍の多くは、薬の服用などで治すことができますので、早めにしっかりと治療することが大切です。
なお、胃潰瘍と十二指腸潰瘍をあわせて「消化性潰瘍」と呼びます。

胃と十二指腸胃と十二指腸

●胃潰瘍・十二指腸潰瘍の症状

胃潰瘍・十二指腸潰瘍の症状

胃潰瘍・十二指腸潰瘍の患者さんが感じる症状は、患者さんによってそれぞれ異なりますが、上腹部の持続的な痛みや胸やけ、膨満感が起こることが多いです。

上腹部の持続的な痛み

胃潰瘍・十二指腸潰瘍の症状として、最もよくみられるのが痛みです。
上腹部やみぞおちに、にぶく持続的な痛みが多くみられます。
胃潰瘍の場合は、食後に痛みを感じることが多いと言われますが、これは胃に入った食べ物が潰瘍を刺激して痛みが起こるためです。 一方、十二指腸潰瘍の場合は、空腹時に激しい痛みが起こり、食事をとると痛みが治まるのが特徴ですが、これは胃酸が潰瘍を刺激して痛みが起こるためです。
しかし、なかには潰瘍があっても全く痛みを感じない患者さんもいるため、痛みがあるかどうかや、痛みの強さだけでは潰瘍の程度を判断することはできません。

胸やけ

胸やけ

胸のあたりに焼けるような不快な感じがする胸やけが起こります。
また、酸っぱい液体が口まで上がってきてゲップが出る「呑酸(どんさん)」という症状が現れることもよくあります。このような症状が起こるのは、胃酸の出すぎや、胃の運動が悪くなったり、胃から十二指腸に続く幽門や十二指腸が狭くなって、胃に長時間食べ物が残ることで食道に胃酸が逆流するためです。

食欲不振

胃潰瘍の患者さんでは、食べ物が胃に長時間残ることなどによって、食欲不振を感じることがよくあります。その他に、吐き気やおう吐などの症状が起こることもあります。

膨満感

胃潰瘍の患者さんでは、胃酸の分泌が低くなることがあり、腸管内でのガスの発生が増えたり、腸の運動が鈍くなったりして、おなかが張った感じ(腹部膨満感)が起こりやすくなります。

 

●潰瘍の進行度による分類

内視鏡で潰瘍を観察すると、潰瘍の進行度が分かります。この進行度を見きわめることは、治療法の選択や治療の終わりを判断するためにとても大切です。
潰瘍の進行度は、次のように大きく3つに分類されています。


1.活動期(Active Stage/潰瘍ができたばかりの時期)

活動期活動期の潰瘍の内視鏡写真

活動期のうち、とくに急性期(A1)は、潰瘍の周りは腫れ、潰瘍部位は深く掘られ、でこぼこになったりしています。これが改善すると(A2)、潰瘍の周りの腫れは軽くなり、潰瘍部位は白っぽくなります(白苔:はくたい)。


2.治癒期(Healing Stage/徐々に治っていく時期)

治癒期治癒期の潰瘍の内視鏡写真

治癒期(H1)になると、潰瘍の周りの腫れは治まり、潰瘍が小さくなります。さらに治癒が進むと(H2)、潰瘍はさらに小さく浅くなり、白くなっていた部分も小さくなります。


3.瘢痕期(はんこんき:Scarring Stage/治りかけの時期)

瘢痕期瘢痕期の潰瘍の内視鏡写真

潰瘍が治癒したあとは、白くなっていた部分がなくなり、赤い傷跡が残っている状態(S1)を経て、さらに白色っぽい傷跡に変わります(S2)。

●潰瘍の深さによる分類

胃や十二指腸の壁は粘膜や筋肉が層になっていて、胃潰瘍や十二指腸潰瘍によってできた傷がどの層にまで達しているかによって、Ⅰ度からⅣ度の4段階に分類できます。Ⅰ度は傷が粘膜層のみ、Ⅱ度は粘膜下層まで、Ⅲ度は筋層まで、Ⅳ度は漿膜まで達している場合です。Ⅰ度の粘膜層のみの傷は「びらん」といい、Ⅱ度以上の傷は「潰瘍」と呼びます。また、Ⅳ度以上に悪化すると、壁に穴が開いた状態(穿孔)になることもあります。
潰瘍の深さを見きわめることは、潰瘍の重症度を診断するのにとても大切です。

潰瘍の深さによる分類潰瘍の深さによる分類

●胃潰瘍、十二指腸潰瘍の診断・検査

胃潰瘍・十二指腸潰瘍の診断は、問診、触診、バリウム造影検査、内視鏡検査などにより行われます。ピロリ菌に感染している可能性がある時には、ピロリ菌検査を行います。胃の組織検査を行って、がんと潰瘍の区別をすることもあります。こうした検査は、診断だけでなく、治療の効果をみるためにも行われます。
その他に、血液検査、超音波検査などで、すい臓の病気や胆石、虫垂炎などの他の病気と区別したりします。

バリウム造影検査

バリウムを飲んでレントゲン写真をとる検査です。潰瘍の部分にバリウムが入り込み、胃や十二指腸の内壁から突き出たように写るため、どこに潰瘍があるかを確認することができます。

内視鏡検査

細い管に超小型カメラがついた内視鏡を口または鼻から入れ、モニターで胃や十二指腸の状態を確認する検査です。潰瘍の進行度や深さの診断、他の病気との区別ができます。同時に、検査のために組織をとったり、出血を止めるための処置などを行うこともあります。

ピロリ菌検査

内視鏡検査(胃カメラ検査)ピロリ菌

胃潰瘍、十二指腸潰瘍の治療方針を決めるために欠かせない検査です。
方法は大きく分けて2種類あります。ひとつは内視鏡検査の時に胃粘膜組織を採取し、それを調べる方法です。もうひとつは血液、尿、便、吐く息の中にピロリ菌に関係した物質があるかどうかを調べる方法です。これらの中からひとつの方法を選んで診断や、治療効果の判定を行います。

組織の病理検査(生検)

内視鏡検査の時に潰瘍部分の組織を採取し、調べる検査です。採取する組織の大きさは1mm角ほどで、痛みはありません。この検査によって、病変が胃潰瘍か胃がんかを区別できます。

●なぜ治療が必要か?

治療により症状を改善し、再発を防ぐことができます。胃がんの早期発見にもつながります。 胃潰瘍・十二指腸潰瘍で、ピロリ菌が見つかった場合には、除菌を行うことが強く勧められます。除菌により、症状がなくなり、再発の危険性は非常に低くなります。
一方、ピロリ菌が関係しない胃潰瘍・十二指腸潰瘍や、ピロリ菌の除菌が成功しなかった時、除菌治療を行えなかった場合には、まず、潰瘍を完全に治し症状をなくす治療が必要です。その後は、再発を防ぐための治療を行うことがあります。
胃潰瘍・十二指腸潰瘍で起こる上腹部の痛みや胸やけ、吐き気などは、胃がんの場合にも起こる症状です。きちんと検査を受ければ、胃がんを早く見つけることにもつながります。

●胃潰瘍、十二指腸潰瘍のの種類と治療の流れ

【胃潰瘍診療ガイドラインによる胃潰瘍治療の基本方針】
胃潰瘍診療ガイドラインによる胃潰瘍治療の基本方針

胃潰瘍ガイドラインの適用と評価に関する研究班編「EBMに基づく胃潰瘍診療ガイドライン第2版-H.pylori二次除菌保険適用対応-」2007,p199より
胃潰瘍・十二指腸潰瘍の潰瘍の部分から出血がある場合には、内視鏡を使って出血部分に止血剤を注射したり、クリップをかけたり、レーザーで血管を焼く止血治療が行われます。効果がなければ出血している血管を放射線下に詰めたり、手術が行われることもあります。
出血がない場合は、薬による治療が行われます。まず非ステロイド性抗炎症薬(NSAID:エヌセイド)を飲んでいる場合は、原則としてそれを中止し、ピロリ菌の検査でピロリ菌が見つかれば、除菌治療を行います。ピロリ菌が見つからない時、除菌治療が成功しなかった時、副作用などで除菌治療が行えなかった時、ピロリ菌除菌後に潰瘍が治っていなかった時には、潰瘍を治すための薬物療法を行います。その後、再発させないための薬物療法を行うこともあります。


ピロリ菌を除菌するための薬物療法

3種類の薬(抗菌薬2種類とプロトンポンプ阻害薬)を7日間飲み続ける治療法です。医師、薬剤師の説明を十分に受け、指示通りにしっかりと薬を飲むことが大切です。

潰瘍を治癒させ、再発させないための薬物療法

胃酸の分泌を抑えたり、胃の防御機能を強める薬が使われます。ヒスタミンH2受容体拮抗薬(H2ブロッカー)、プロトンポンプ阻害薬、抗コリン薬、プロスタグランジン製剤、防御因子増強薬などがあります。
薬物療法を行う場合には、たとえ症状を感じなくなっても、潰瘍が完全に治るまで、医師の指示通りにしっかりと薬を飲み続けることが大切です。
また潰瘍が治っても、再発の可能性が高いと考えられる場合には、さらに一定期間、薬を飲み続ける維持療法が行われることもあります。

●治療の継続と終わり

ピロリ菌に感染している方は、除菌に成功すれば、再発する危険性は非常に低くなります。除菌した後、潰瘍が完全に治るまで服薬すれば、それで治療は終わります。非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)による胃潰瘍・十二指腸潰瘍は、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)をやめることができれば、潰瘍が完全に治るまで潰瘍の治療薬を飲み続けて、治療は終わります。
いずれの場合も、潰瘍が完全に治るまでは、症状が消えても、医師の指示を守って薬を飲み続けることが大切です。
ピロリ菌の除菌が成功しなかった時、除菌治療を行えなかった時、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)を再び使う必要がある時などには、潰瘍が完全に治った後も、再発しやすいため、再発予防のための治療を行うことが勧められます。
この場合は、長い期間薬を飲み続けることが必要ですが、再びつらい症状で苦しまないためにも、主治医とよく相談し、治療を続けていきましょう。

●胃潰瘍・十二指腸潰瘍の三大原因

胃潰瘍・十二指腸潰瘍の三大原因

1.ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ菌)

ピロリ菌は胃の中に好んで棲みつき、胃の壁を傷つける細菌で、MarshallとWarrenにより1982年に発見されました(2005年にはノーベル生理学・医学賞受賞)。 ピロリ菌が分泌する酵素(ウレアーゼ)が胃の中にある尿素を分界してアンモニアを作り、胃酸を中和して生息しています。

免疫力の弱い5歳以下の乳幼児期に口から感染して、何十年間も胃の粘液層に棲みつくと現在考えられています。ピロリ菌の持続的な感染により胃潰瘍・十二指腸潰瘍の再発を繰り返したり、また萎縮性胃炎から腸上皮化生を経て胃がんに移行する発ガン性もあります。40歳までに除菌することで胃がんを防げる可能性があります。ピロリ除菌療法といっても大袈裟なことではなく1週間飲み薬を飲むだけです。日本人は基本的に存在診断がついたら、できるだけ早い時期にピロリ除菌を受けることをお勧めします。

ヘリコバクター・ピロリ菌 院長とノーベル医学賞受賞 DrMarshall
ヘリコバクター・ピロリ菌 院長とノーベル医学賞受賞 DrMarshall

【ヘリコバクター・ピロリ除菌の流れ】

STEP1:一次除菌

  • アモキシリン(ペニシリン)
  • クラリス(マクロライド)
  • パリエット・タケプロン・オメプラール・ネキシウム(プロトンポンプ阻害薬)

STEP2:二次除菌

  • アモキシン(ペニシリン)
  • フラジール(メトロニタゾール)
  • パリエット・タケプロン・オメプラール・ネキシウム(プロトンポンプ阻害薬)

STEP3:三次除菌

  • アモキシリン(ペニシリン)
  • グレースビット(ニューキノロン)
  • パリエット・タケプロン・オメプラール・ネキシウム(プロトンポンプ阻害薬)
    ※保険適応ではありません。

2.非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)

解熱、鎮痛、炎症を抑えることなどを目的に使われている非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)により、胃潰瘍・十二指腸潰瘍になることがあります。
非ステロイド性抗炎症薬による胃潰瘍は、痛みなどの症状を感じないままに進行し、突然、吐血や下血(タール様黒色便)などを生ずることがあります。非ステロイド性抗炎症薬を服用されている方は、定期的に検査を受けるなど、胃潰瘍に注意することが必要です。

*低用量アスピリン(抗血栓療法)
脳梗塞や心筋梗塞などの発作を起こした患者さんは、再発予防のために少量アスピリン(低用量アスピリン)を長期にわたって飲み続けることがあります。少量でもアスピリンも非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)の一種であり、胃潰瘍と十二指腸潰瘍が引き起こされることがあります。

胃酸過多・ストレス

3.胃酸過多・ストレス

胃や十二指腸などの内臓の働きは自律神経によって調節されています。強い肉体的ストレスや精神的ストレスを受けると自律神経の働きが乱れ、粘膜の血流が悪くなって粘膜が傷つきやすくなり潰瘍を生じます。

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慢性胃炎と機能性胃腸症(FD:functional dyspepsia)

●慢性胃炎とは

慢性胃炎は、胃の腺細胞(胃酸を分泌している腺)が、萎縮(いしゅく)をおこし修復されずに進行していく胃粘膜の病気です。萎縮とともに胃酸の分泌が減少します。
慢性胃炎には、以下の2型に分類することができます。
ヘリコバクター・ピロリ菌の感染によって慢性萎縮性胃炎を生じていく『ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎』と、ヘリコバクター・ピロリ菌の感染がない『機能性胃腸症(FD:functional dyspepsia)』があります。
前者は、ヘリコバクター・ピロリ菌の持続感染によって萎縮性胃炎から、化生性胃炎、さらに胃がんに移行することがあります。
臨床的には、出血とびらんのある胃炎、びらんのない胃炎、特殊型胃炎があります。

慢性胃炎特有のものはなく、胃潰瘍や胃がんでも同じ症状がみられます。萎縮の程度と症状は必ずしも一致しません。
慢性胃炎と機能性胃腸症

●症状

主な症状には、空腹時や夜間の胸焼け、食後にムカムカしたり、もたれた感じがあります。
また、強い胃の不調を訴える方のなかには、神経症的傾向が強いケースもあります。

出血とびらんのある胃炎ではヘリコバクター・ピロリ菌の感染、ストレス、非ステロイド系消炎鎮痛剤、飲酒などが原因になります。ヘリコバクター・ピロリ菌の存在しない機能性胃腸症(FD:functional dyspepsia)も慢性胃炎の症状を生じます。

検査

内視鏡による観察と生検による組織学的診断を行います。

ヘリコバクター・ピロリ菌による萎縮の進行度や広がりを観察します。萎縮の軽微な胃粘膜には発赤という特徴的な病変がみられ、萎縮が進んだ粘膜には粘膜下層の血管が透けて見えます。

治療

慢性胃炎で使用される薬剤は、胃酸による攻撃をおさえる薬、胃の粘膜を守り保護する薬、消化管運動の機能を改善する薬です。
胃・食道逆流型と潰瘍型では、胃酸の分泌を抑え、胃粘膜を改善する薬で治療します。胃運動不全型には、胃の蠕動運動を高め、消化酵素剤により消化を助け、胃粘膜修復剤により胃壁を修復します。
平成25年2月22日より「ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎」に対する効能・効果追加が承認され、除菌治療が可能となりました。

ついに、ヘリコバクター・ピロリ菌の除菌療法による胃がんの発症予防が、保険でできるようになったのです。
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逆流性食道炎・GERD・NERD

●逆流性食道炎とは

逆流性食道炎

逆流性食道炎は、強い酸性の胃液や、胃で消化される途中の食物が食道に逆流して、そこにとどまるために、食道が炎症を起こし、びらん(粘膜がただれること)や潰瘍(粘膜や組織の一部がなくなること)を生じる病気です。このため胸やけ・呑酸(どんさん)、胸の痛み(狭心症に似た痛み)、咳・喘息、のどの違和感・声嗄れなど様々な症状が生じます。
逆流性食道炎は、もともと日本人には少ない病気でしたが、食生活の欧米化などによって、さらに、ピロリ菌感染者の減少にともない、増えています。なお。胃液の逆流があり、胸やけなどの症状があっても、びらんや潰瘍がないものは「非びらん性胃食道逆流症」と呼ばれます。

●逆流性食道炎が起こるメカニズム

逆流性食道炎が起こるメカニズム

胃から食道への逆流を防ぐ仕組みが働かなくなったり、胃酸の分泌が増えすぎたりして、胃の内容物が食道に逆流して長くとどまることで起こります。胃液は、食物を消化するために強い酸性の胃酸や消化酵素を含んでおり、強い刺激性があります。粘膜によって保護されている胃と違い、食道は胃液に対する抵抗力が弱いため、健康な状態では、食道が胃液で傷つかないように、胃液が食道に逆流しない仕組みが働いています。
その主役は下部食道括約筋(かぶしょくどうかつやくきん)です。
下部食道括約筋は、食道と胃のつなぎ目(噴門部)にある筋肉で、食べた物を飲み込む時には、ゆるんで食道から胃に食べ物が落ちるようにし、それ以外の時は、食道をしめて、胃の内容物が逆流しないようにしています。

【内視鏡検査ロサンゼルス分類】

逆流性食道炎の重症度判定基準.・重症度分類。内視鏡の所見で分類されています。Grade AからGrade Dは下記の通りです。

内視鏡検査ロサンゼルス分類

●逆流性食道炎の治療

生活習慣の改善

逆流性食道炎の治療でまず大切なのは、食事、姿勢、服装など、逆流性食道炎を起こす生活習慣を変えていくことです。

薬物療法

生活習慣の改善だけでは、症状を完全になくすのは難しいため、多くの患者さんは生活習慣の改善とあわせて薬による治療を行います。ヒスタミンH2受容体拮抗薬(H2ブロッカー)、プロトンポンプ阻害薬、消化管運動機能改善薬などが有効です。薬による治療を始めると、多くの方では、すみやかに症状はなくなります。ただ、症状がなくなっても、食道の炎症、びらん、潰瘍はすぐに治るわけではありませんので、しばらくは薬を飲み続ける必要があります。また、現在使われている薬では、胃から食道への逆流を根本から治すことはできないため、治癒した後に服薬をやめると再発する方が少なくありません。そうした方では、薬を長い間飲み続ける治療(維持療法)も行われます。
食道の炎症やびらん、潰瘍の程度が軽く、胸やけなどの症状もときどきしか起こらないような方では、症状がある時だけ服薬する治療が行われることもあります。

手術

生活習慣の改善や薬で効果がなかった時、再発を繰り返す時には、手術を行うことがあります。最近は、内視鏡の一種である腹腔鏡を使った手術が増えてきています。
食道の炎症が軽く、症状がたまにしか起こらない方には、症状がある時だけ服薬する治療が行われることがありますが、食道にびらんや潰瘍ができている方は、症状がなくなった後も、びらんや潰瘍が治るまで薬を飲み続ける必要があります。

Question

現在、逆流性食道炎の治療中なのですが、お酒を飲んでも大丈夫ですか?

答えはこちら(画像をクリックすると拡大します)

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過敏性腸症候群(IBS)

●過敏性腸症候群ってどんな病気?

腹痛やおなかの張りなどの腹部症状と、下痢や便秘などの便通異常を慢性的にくり返す疾患のことです。便通状態から「下痢型」と「便秘型」、その両方を交互に繰り返す「混合型」に分類されます。「混合型」は「交替型」と呼ばれることもあります。
大腸がんや潰瘍性大腸炎などとは異なり、視覚的に確認できる異常が認められません。また、単純な下痢や便秘と大きく違うのは、おもな原因がストレスであることと、腹痛・おなかが張る・おなかがなんとなく気持ち悪い・おなかが鳴る、といった腹部症状を伴うことです。
その症状によりQOL(生活の質)が低下することも少なくなく、20~40歳代に多いことから学業や就業に支障をきたすため近年重要視されています。また、先進国に多く、一種の文明病とも考えられています。最近では、ストレスがあっても症状を抑えられる新しい治療が注目されています。
IBSは、過敏性腸症候群の英語名Irritable Bowel Syndromeの略です。

●過敏性腸症候群の特徴

ストレスに起因して、慢性的な下痢や便秘、腹痛をくり返す疾患です。

「IBS」は、主にストレスに起因して、下痢や便秘を慢性的にくり返す疾患。大腸がんや潰瘍性大腸炎などとは異なり、視覚的に確認できる異常が認められないのが特徴です。
また単純な下痢や便秘と大きく違うのは、主な原因がストレスであることと、腹痛やおなかの張り/おなかがなんとなく気持ち悪い/おなかが鳴る、といった腹部症状をともなうことです。また、排便によってその症状が軽減することも、「IBS」であるかどうかを見極める目安になります。その他に「IBS」によって、不眠や不安・抑うつなど胃腸以外の症状を引き起こしてしまう人もいます。

過敏性腸症候群の特徴

(図)「IBS」に伴うおなかの症状・その他の症状

生活の質が低下してしまうことも
日本人の5~10人に1人が「IBS」に当てはまると推定されるほど、誰もがなり得る疾患です。10~30代の若い年代に比較的多くみられる傾向があります。症状がひどい場合は、電車や車の中で急にトイレに行きたくなるため、学校や会社に行けなくなったり外出を控えるようになったりなど、生活の質(Quality Of Life: QOL)を低下させてしまうケースがあり問題となっています。

●過敏性腸症候群の特徴
「IBS」はその症状によって、以下のタイプに分類されます。

下痢型 泥状便・水様便」が多い。 下痢症状は男性に多い。
便秘型 硬い便・コロコロ便」が多い。 便秘症状は女性に多い。
混合型 泥状便・水様便」になったり、「硬い便・コロコロ便」になったりする。
その他 上記のどれにも当てはまらない。

便形状の分類(ブリストル・便形状スケール)

コロコロ便 硬くコロコロの便(うさぎのふんのような便) コロコロ便
硬い便 短く固まった硬い便 硬い便
やや硬い便 水分が少なく、ひび割れている便 やや硬い便
普通便 適度な軟らかさの便 普通便
やや軟らかい便 水分が多く非常に軟らかい便 やや軟らかい便
泥状便 形のない、泥のような便 泥状便
水様便 水のような便 全くの水状態

●過敏性腸症候群の診断
慢性的な下痢や腹痛、腹部症状などがあって、「もしかしたら『IBS』かもしれない」と思われた場合、迷わずに医療機関を受診しましょう。
かかりつけの医師がいる場合は、まずはそこで相談されることをお薦めします。
『さまざまな治療法』でも触れたように、医師から処方される治療薬は「IBS」のタイプによって異なってきます。問診の際にしっかりと自分の症状や生活スタイルを説明できることが大切です。
医療機関を訪れる前に以下の項目をチェックして、メモをしておくといいでしょう。こちらの『便通の状態と腹部症状メモ』をご活用ください。

便通の状態と腹部の症状について

便通の状態と腹部の症状について

生活スタイルや体調について


●腸内セロトニンか及ぼす作用と「IBS」の関係●
腸は「第二の脳」といわれるように、腸と脳には密接な関係があります。腸と脳は神経によってつながっていて、脳が不安やストレス(必ずしも自覚できるとは限りません)を感じると、その信号が腸に伝わって腸の運動に影響を与えることがわかっています。
「IBS」の患者さんは、この信号が伝わりやすくなっているため、腸が過剰に反応してしまうのです。また最近では、このしくみにセロトニンという物質(神経伝達物質※1)が深くかかわっていることや、セロトニンをコントロールすることで、ストレスがあっても症状を抑えられることがわかってきたのです。

※1:神経伝達物質…情報伝達をつかさどる化学物質の総称。

腸内セロトニンか及ぼす作用と「IBS」の関係

(図)ストレスと「IBS」の関係~腸内のセロトニンが及ぼす作用~

●過敏性腸症候群の治療
「IBS」の治療には、3食を決まった時間に摂る、暴飲暴食を避ける、睡眠や休養を十分にとる、ストレスを解消する、朝の排便を習慣づける、といったライフスタイルの改善が欠かせません。そのなかでも重要なのが、食事療法や運動療法による治療です。

過敏性腸症候群の治療

食事療法
繰り返しの料や冷たい飲食物、脂っこいものなどを避けます。乳製品やアルコールも下痢の原因になる可能性があるので、控えたほうがいいでしょう。
便秘をくり返している場合は、香辛料など刺激の強い食品は避けつつ、水分や食物線維を多く摂れるような食事を心がけていきます。

運動療法
適度な運動は腸の働きを整える効果が期待できるほか、気分転換・ストレス解消にもなります。体操や散歩などの軽い運動を生活に取り入れましょう。

薬物療法では症状に応じて治療薬が処方される
食事療法や運動療法で症状が改善しない場合は、医師による薬物療法が用いられます。薬物療法では、症状に合わせて以下のような治療薬が処方されます。また、腸のセロトニンに作用し、早期から確実に症状を改善する薬も用いられるようになりました。

1.セロトニン*3受容体拮抗薬
腸で作用するセロトニンの働きを抑え、腸の運動異常や痛みを感じやすい状態を改善する男性の下痢型IBSにおける治療薬です。

過敏性腸症候群の治療

2.高分子重合体
便に含まれる水分量を改善して、便をちょうどよい硬さに保つ薬です。

3.消化管運動調節薬
消化管の動きに活発にしたり抑えたりする薬です。

4.乳酸菌製剤
腸内の乳酸菌を増やすことで、腸内環境を整える薬です。

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潰瘍性大腸炎・クローン病(炎症性腸疾患)

潰瘍性大腸炎は炎症性腸疾患(炎症を伴う腸疾患)の1つです。炎症性腸疾患には細菌や薬剤など原因がはっきりしている特異的炎症性腸疾患と、原因がはっきりしていない非特異的炎症性腸疾患があります。潰瘍性大腸炎は、クローン病とともに非特異的炎症性腸疾患に分類されています。

炎症性腸疾患
(炎症を伴う腸疾患)
特異性
(原因がはっきりしているもの)
感染性腸炎(大腸菌O-157、ノロウイルス、カンピロバクター、赤痢、腸チフスなど)
薬剤性腸炎(抗生物質起因性腸炎など)
その他(虚血性大腸炎、放射線腸炎)
非特異性
(原因が不明なもの)
潰瘍性大腸炎
クローン病
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潰瘍性大腸炎

●潰瘍性大腸炎の概念
潰瘍性大腸炎は主として粘膜を侵し、しばしばびらんや潰瘍を形成する原因不明の大腸のびまん性非特異性炎症です。医科学国際組織委員(CIOMS)では「主として粘膜と粘膜下層を侵す、大腸特に直腸の特発性、非特異炎症性疾患。30歳以下の成人に多いが、小児や50歳以上の年齢層にもみられる。原因は不明で、免疫病理学的機序や心理学的要因の関与が考えられています。通常血性下痢と種々の程度の全身症状を示します。長期にわたり、かつ大腸全体を侵す場合には悪性化の傾向があります。多くの患者さんは再燃と寛解を繰り返すことから長期間の医学管理が必要となります。

●潰瘍性大腸炎の疫学
わが国の罹患率や有病率は欧米に比べて低率ではあるが、1970年以降急激に増加しています。毎年おおよそ8,000人増加しています。米国の100万人と言われている患者数に比べると10分の1程度です。
発症年齢のピークは男性で20~24歳、女性で25~29歳にみられるが、若年者から高齢者まで発症する。男女比は1:1で性差はみられません。
患者数の推移を特定疾患医療受給者証交付件数からみると、平成21年度には113,306人が登録されており、毎年増加の一途を辿っています。

●潰瘍性大腸炎の病因
いまだ病因は不明ですが、現在では遺伝的因子と環境因子が複雑に絡み合って、なんらかの抗原が消化管の免疫担当細胞を介して腸管局所での過剰な免疫応答を引き起こす自己免疫反応の異常、あるいは食生活の変化などに関与していると考えられています。

●潰瘍性大腸炎の病態分類
1)病変の拡がりによる分類:全大腸炎、左側大腸炎、直腸炎、右側あるいは区域性大腸炎)
2)病期の分類:活動期、寛解期
3)重症度による分類:軽症、中等症、重症、激症
4)臨床経過による分類:再燃寛解型、慢性持続型、急性激症型、初回発作型

●潰瘍性大腸炎の症状
代表的な自覚症状は、血便、粘血便、下痢、あるいは血性下痢を呈しますが、病変範囲と重症度によって左右されます。軽症例では血便を伴わいませんが、より重症化すれば、水様性下痢と出血が混じり、滲出液と粘液に血液が混じった状態となります。これ以外の症状としては腹痛、発熱、食欲不振、体重減少、貧血などが加わることも多くあります。さらに関節炎、虹彩炎、膵炎、皮膚症状(結節性紅斑、壊疽性膿皮症など)などの腸管外合併症を伴うことも少なくありません。

●潰瘍性大腸炎の診断
基本的には慢性の(粘)血便を主訴とし、潰瘍性大腸炎の診断は症状の経過と病歴などを聴取することから始まります。最初に、血性下痢を引き起こす感染症と区別することが必要です。下痢の原因となる細菌や他の感染症を検査し、鑑別診断が行われます。その後、一般的にX線や内視鏡による大腸検査を受けます。この検査で炎症や潰瘍がどのような形態で、大腸のどの範囲まで及んでいるかを調べます。さらに"生検"と呼ばれる大腸粘膜の一部を採取することで、病理診断を行います。潰瘍性大腸炎は、このようにして類似した症状を呈する他の大腸類縁疾患と鑑別・除外され、確定診断されます。

●潰瘍性大腸炎の治療
内科的治療
現在、潰瘍性大腸炎を完治に導く内科的治療はありませんが、腸の炎症を抑える効果のある薬物治療は存在します。治療の目的は大腸粘膜の異常な炎症を抑え、症状をコントロールすることです。

1.5-アミノサリチル酸薬(5-ASA)製薬
5-ASA製薬には従来からのサラゾスルファピリジン(サラゾピリン)と、その副作用を軽減するために開発されたメサラジン(ペンタサやアサコール)があります。経口や直腸から投与され、持続する炎症を抑えます。炎症を抑えることで、下痢、下血、腹痛などの症状は軽減します。5-ASA製薬は軽症から中等症の潰瘍性大腸炎に有効で、再燃予防にも効果があります。

2.副腎皮質ステロイド薬
代表的な薬剤としてプレドニゾロン(プレドニン)があります。経口や直腸からあるいは経静脈的に投与されます。この薬剤は中等症から重症の患者さんに用いられ、強力に炎症を抑えますが、再燃予防効果は認められていません。

3.血球成分除去療法
血液中から異常に活性化した白血球を取り除く治療法で、LCAP(白血球除去療法:セルソーバ)、GCAP(顆粒球除去療法:アダカラム)があります。副腎皮質ステロイド薬を投与しても著効しない患者さんの活動期の治療に用いられます。

4.免疫調節薬
これらの薬剤には、アザチオプリン(イムラン)や6-メルカプトプリン(ロイケリン)、最近ではシクロスポリン(サンディミュン)やタクロリムス(プログラフ)があります。ステロイド薬無効の患者さんや、ステロイド薬が中止できない患者さんの治療に用いられます。

5.抗TNFα受容体拮抗薬
インフリキシマブ(レミケード)は、クローン病や関節リウマチの患者さんでも使用されている注射薬ですが、潰瘍性大腸炎でも効果が期待できる薬剤です。効果がある場合、8週おきに投与が継続され、再燃予防効果が期待されます。

外科的治療
潰瘍性大腸炎の中でも下記のような合併症を伴うケースでは手術の対象となります。

合併症
(1)大量出血
(2)中毒性巨大結腸症(大腸が腫れ上がり、毒素が全身に回ってしまう)
(3)穿孔(大腸が破れる)
(4)癌化またはその疑い
(5)内科的治療に反応しない重症例
(6)副作用のためステロイドなどの薬剤を使用できない場合
手術は大腸の全摘が基本となります。以前は人工肛門を設置する手術が行われていましたが、現在では肛門を温存する手術が主流です。
この手術は大腸を取り除いた後、小腸で便を貯める袋を作って肛門につなぐ方法です。
このような手術術式の進歩により肛門機能を温存できるようになり、術後の患者さんのQOLは飛躍的に向上されています。

●潰瘍性大腸炎の癌化:サーベンランスの必要性
長期経過例では炎症を母地とした癌の発生(colitic cancer)を合併する例が存在します。発癌には罹病期間と罹患範囲が関係し、7~8年以上経過した全大腸炎型のリスクが高いのです。欧米の報告では癌合併のリスクは全大腸炎型で6.3%、左側大腸炎型で1.0%、直腸炎型ではリスクはないとされています。また累積癌化率は10年で0~5%、20年で8~23%、30年で30~40%と推定されており、全大腸炎型の長期経過例に対しては癌合併のサーベイランスが重要です。近年、症例対照研究で5-ASA製薬(メサラジン)の継続投与が大腸癌のリスクを減少させるという報告があります。経過中の定期的な受診や下部内視鏡検査も大腸癌の早期診断に有用であるのです。

潰瘍性大腸炎の病変範囲による分類

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クローン病(Crohn’s disease)

●クローン病の概念
潰大腸及び小腸の粘膜に慢性の炎症または潰瘍をひきおこす原因不明の疾患の総称を炎症性腸疾患(Inflammatory Bowel Disease:IBD)といいますが、クローン病も、この炎症性腸疾患のひとつです。
クローン病は主として若年者にみられ、口腔にはじまり肛門にいたるまでの消化管のどの部位にも炎症や潰瘍(粘膜が欠損すること)が起こりえますが、小腸の末端部が好発部位で、非連続性の病変(病変と病変の間に正常部分が存在すること)が特徴です。それらの病変により腹痛や下痢、血便、体重減少、発熱、栄養障害、貧血などの全身症状や関節炎、虹彩炎、肝障害などの全身性合併症がおこります。

●クローン病の疫学
日本では1940年ごろから「非特異的限局性腸炎」として紹介されたものの、まれな病気として一般にはあまり知られていませんでした。1975年に旧厚生省の研究班が発足し、クローン病の診断基準が作成され、全国調査が行われるようになりました。
クローン病の患者数の推移を医療受給者証交付件数でみると1976年には128件でしたが、その後増加し続け、近年では毎年1,500人前後の増加がみられ、2009年度には30,891人の患者さんが登録されています。したがって人口10万人あたり約23.3人のクローン病患者さんがいることになりますが、欧米に比べると10分の1前後です。
10歳代~20歳代の若年者に好発します。発症年齢は男性で20~24歳、女性で15~19歳がピークがみられます。男女比は、約2:1と男性に多くみられます。
環境因子、食生活が大きく影響し、動物性タンパク質や脂肪を多く摂取し、生活水準が高いほどクローン病にかかりやすいと考えられています。喫煙をする人は喫煙をしない人より発病しやすいと言われています。

クローン病の推定発症年齢

●クローン病の病因
これまでにクローン病が発症する原因は不明です。現在のところ遺伝的因子、環境因子(ウイルスや細菌などの微生物感染、腸内細菌叢の変化、食餌性抗原など)などが複雑に関与し、免疫系の異常反応が生じているとが想定されています。

●クローン病の病変部位
小腸や大腸、またはその両者に縦走潰瘍、敷石像やアフタなどの病変がみられます。病型は縦走潰瘍、敷石像、または狭窄の存在部位による(小腸型、小腸大腸型、大腸型など)がります。これらの所見を欠く場合には特殊型とされます。

●クローン病の症状
クローン病の症状は、侵された病変部位(小腸型、小腸・大腸型、大腸型)によっても異なります。その中でも特徴的な症状は腹痛と下痢で、半数以上の患者さんでみられます。さらに発熱、下血、腹部腫瘤、体重減少、全身倦怠感、貧血、成長障害などの症状もしばしば現れます。またクローン病は瘻孔、狭窄、膿瘍などの腸管の合併症があげられます。また関節炎、虹彩炎、強直性脊椎炎、口腔内アフタ、結節性紅斑、壊疽性膿皮症、肛門部病変などの腸管外合併症も多く呈します。長期経過例では腸管悪性腫瘍が問題となることがあります。

●クローン病の診断
臨床症状からクローン病を疑い、一般的な血液検査、糞便検査、さらに消化管X線造影検査、内視鏡検査をすることによって診断します。その中でも消化管の病変を見つけだすのにX線造影検査(注腸造影、小腸造影)、大腸内視鏡検査、生検といった消化管の検査が重要です。
主要所見は縦走潰瘍、敷石像、非乾酪性類上皮細胞肉芽腫、副所見は縦列する不整形潰瘍またはアフタ、上部消化管と下部消化管の両者に認められる不整形潰瘍またはアフタであり、これらの所見と潰瘍性大腸炎や虚血性大腸炎などとの鑑別により診断します。

●クローン病の治療
1.栄養療法・食事療法

栄養状態の改善だけでなく、腸管の安静と食事からの刺激を除去することで腹痛や下痢などの症状の改善と消化管病変の改善が認められます。
栄養療法には経腸栄養と完全中心静脈栄養があります。経腸栄養療法には、抗原性を示さないアミノ酸を主体として脂肪をほとんど含まない成分栄養剤と少量のタンパク質と脂肪含量がやや多い消化態栄養剤やカゼイン、大豆タンパクなどを含む半消化態栄養剤があります。完全中心静脈栄養は高度な狭窄がある場合、広範囲な小腸病変が存在する場合、経腸栄養療法を行えない場合などに用いられます。 病気の活動性や症状が落ち着いていれば、通常の食事が可能ですが、食事による病態の悪化を避けることが最も重要なことです。一般的には低脂肪・低残渣の食事が奨められていますが、個々の患者さんで病変部位や消化吸収機能が異なっているため、自分にあった食品を見つけていくことが大事です。

2.内科的治療
主に5-アミノサリチル酸製薬、副腎皮質ステロイドや6-MPやアザチオプリンなどの免疫調節薬が用いられます。寛解を維持するために5-アミノサリチル酸製剤や免疫調節薬が使われます。最近では瘻孔合併などの難治の患者さんでは抗TNFα受容体拮抗薬(レミケードまたはヒュミラ)が使用されます。血球成分除去療法が行われることもあります。

3.外科的治療
著しい狭窄や穿孔、膿瘍などを経過中に生じ、内科的治療でコントロールできない場合には手術が必要となります。手術はできるだけ腸管を温存するために小範囲切除や狭窄形成術が行われます。

●クローン病の合併症
 ・絶対的適応:腸閉塞、穿孔、大量出血、中毒性巨大結腸症、癌合併
 ・相対的適応:症状を伴う狭窄(内視鏡的拡張術が有効な場合もある)、膿瘍
     内瘻、外瘻のほか発育障害や内科治療無効例、肛門周囲膿瘍、排膿の多い有痛性痔瘻など

クローン病の腸管合併症

●クローン病の経過
再燃・再発を繰り返し慢性の経過をとります。完全な治癒は困難であり、手術率は発症後5年で33.3%、10年で70.8%と報告されています。診断後10年の累積生存率は96.9%と生命予後は良好と考えられている。また、定期的に検査を受けることも必要となります。

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B型肝炎

●B型肝炎とは

B型肝炎とは、B型肝炎ウイルスの感染によって起こる肝臓の病気です。肝炎になると、肝臓の細胞が破壊され、肝臓が機能が悪くなります。しかし肝臓は、悪い部分が生じても他の部分がその機能を補うことのできる“予備能力”が優れているため、重症化するまでは、なかなか自覚症状があらわれないことが多く、“沈黙の臓器”と呼ばれています。

●B型肝炎ウィルス(HBV)の形態

1.主として肝細胞に感染する ヘパドナウイルス科に属する
2.発がん性が知られている
3.HIVの100倍の感染性をもつ
4.HCVの10倍の感染性をもつ

HBVは直系42nmの二重構造を持つ球形のDNA型ウイルスです

●B型肝炎の自然経過(病態別)

B型肝炎の自然経過(病態別)

●B型肝炎ウイルス(HBV)マーカーの臨床的意義

B型肝炎ウイルス(HBV)マーカーの臨床的意義
※HBe抗体陽性で高ウイルス量を呈する場合は、HBV プレコア変異株の増殖が推定される。

●肝細胞がんの原因

肝細胞がんの原因
※肝炎を放置し重症化すると肝硬変から肝がんへ移行する

●B型肝炎の治療法
免疫抑制・化学療法により発症するB 型肝炎ウイルス再活性化対策

B型肝炎の治療法

原因療法

抗ウイルス療法で、によりウイルスの増殖を抑えることを目的としています。

1.インターフェロン療法

インターフェロンとは、ウイルスの感染を受けた時などに体内で作られる蛋白質の一種です。人工生産のインターフェロン製剤を体外から注射によって補うのが、インターフェロン療法です。
主な作用として抗ウイルス作用や免疫増強作用、抗腫瘍作用などがあります。B型肝炎の場合は、20~30%の人に効果があらわれるとされています。

2.エンテカビル治療 、ラミブジン治療

エンテカビル、ラミブジンは抗ウイルス作用を持つ経口薬で、DNA(デオキシリボ核酸)の材料となる物質に類似した構造を持っているため「核酸アナログ」です。B型肝炎ウイルスのDNA合成を阻害する作用があるため、ウイルスの増殖を抑制します。セロコンバージョンが起こる割合はインターフェロンと比べ高いわけではありませんが、ウイルス量を減らす作用が強く、また、副作用もインターフェロン療法と比較して少ないといわれています。

肝庇護療法

肝庇護療法とは、肝臓が破壊されるのを防ぎ、肝機能を改善させることを目的とした治療法です。原因であるB型肝炎ウイルスを直接攻撃するわけではないため期間続ける必要があります。

1.グリチルリチン製剤

主成分はグリチルリチンで、マメ科の薬用植物である甘草から抽出されます。代表的な製剤は、射用の強力ネオミノファーゲンシーで、その治療目的は肝炎の進行を抑えて、今以上に肝細胞が破壊されないようにすることです。定期的に注者射をすると、効果がある場合は、2週間程度でALT(GPT)やAST(GOT)の値が低下します。ウイルスを直接攻撃するわけではないので、ウイルス量を減らす作用は強くありませんが、免疫力の増強や肝機能改善、体内でのインターフェロン合成を促進する作用があります。インターフェロン療法が効かなかった人、副作用のために、インターフェロンが使用できない人、肝硬変の人、高齢者などが使用します。

2.ウルソデオキシコール酸

ウルソデオキシコール酸は経口薬で、漢方薬の熊胆の成分を化学的に合成した胆汁酸製剤です。 熊胆は古くから胃腸薬として漢方医療で使用されています。胆汁の分泌を促進し、脂肪の消化・吸収を助け、胃腸機能を改善します。また、肝臓の血流を増加させることで、肝細胞を保護する作用があり、AST(GOT)、 ALT(GPT)値を低下させますが、抗ウイルス作用はありません。また、C型肝炎の方の方が、B型肝炎の方以上の効果があることが明らかとなっています。

3.柴胡湯(しょうさいことう)

小柴胡湯は、柴胡、黄ごん、半夏、大棗、甘草、人参、 生姜の7つの生薬を処方した漢方薬です。柴胡、人参に含まれているサポニンという成分にはステロイド様の作用があり、細胞膜の保護や抗炎症作用、抗アレルギー作用などがあるため、慢性肝炎に使用されています。肝炎を抑えて肝機能を改善し、AST(GOT)、ALT(GPT)値を低下させることによって、病気の進行を遅らせることが主たる目的です。

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C型肝炎

C型慢性肝炎とは

C型慢性肝炎とは、肝炎を起こすC型肝炎ウイルスの感染により、6ヵ月以上にわたって肝臓の炎症が続き、細胞が壊れて肝臓の働きが悪くなる病気です。初期には症状はありませんが、放置しておくと、長い経過のうちに肝硬変や肝がんに進行しやすいことが問題です。現在わが国には100人に1~2人の割合で、C型慢性肝炎の患者さん、あるいは本人も気づいていないC型肝炎ウイルスの持続感染者(キャリア)がいると推測され、“21世紀の国民病”とまでいわれています。

C型慢性肝炎の経過

【ALT値上昇の意味】

ALT31IU/L以上*は「肝細胞破壊」の進行状態

ALT31IU/L以上*は「肝細胞破壊」の進行状態

ALTは、肝臓に対する何らかの異常・障害により肝細胞が破壊されると、血液中に放出されます。
肝臓に多く存在するALTは肝特異性が高く、肝細胞の破壊状態を鋭敏に示します。
※ALTは特定健診の検査必須項目であり、肝機能異常と認識すべき値として設定されています。
(厚生労働省 標準的な健診・保健指導プログラム(確定版)、日本消化器病学会 肝機能研究班 報告書より)

●C型肝炎ウイルスの感染経路

C型肝炎ウイルスは血液を介して感染します。感染している人の血液が他の人の血液の中に入ることで感染しますが、空気感染や経口感染はありません。現在わが国の感染者の多くは、C型肝炎ウイルスが発見される前の輸血や血液製剤、あるいは注射針が使い捨てになる前の注射針の使い回しなどで感染したものと考えられています。
現在ではこのような原因で新たに感染することはほとんどありません。問題になるのは、ピアスや入れ墨、覚せい剤などの回し打ち、無滅菌あるいは使い捨て(ディスポーザブル)でない鍼治療などです。また、性交渉による感染や母から子への感染(母子感染)はごくまれとされています。

C型肝炎の感染経路とは

●C型肝炎の検査
1.肝機能血液検査

C型肝炎ウイルス感染の有無は、まずC型肝炎ウイルス抗体を検査により調べます。抗体陽性は過去にC型肝炎ウイルスに感染したことを意味するのですが、既にウイルスが排除されている場合もあります。そこでウイルス遺伝子(HCV RNA)定性検査を行い、感染が持続しているかを確認します。HCV RNA定性検査が陽性でAST(GOT)とALT(GPT)に異常があれば、C型慢性肝炎と診断されて治療することになります。HCV RNAが陽性でも肝機能の異常がみられない場合は、経過をみるのが一般的でしたが、最近ではガイドラインにより、肝機能が正常でも患者さんの年齢などを考慮して、治療を開始することもあります。

C型慢性肝炎の診断・検査 血液検査(ウィルスマーカー検査)


2.画像診断

肝炎の状態が続いているかどうか血液検査を定期的に行って経過観察しながら、病気の進行の程度をより詳しく知るため、すなわち、肝硬変や肝がんの併発の有無を確認するため、腹部超音波画像診断(エコー)、腹部X線CT検査、腹部MRI検査などの画像診断が行われます。

C型慢性肝炎の診断・検査 画像診断(超音波・X線・CT・MRI)

●C型肝炎の治療法
原因療法

ウイルス増殖を抑える働きを持つインターフェロンです。C型肝炎ウイルスを体内から排除して完全治癒を目指します。いくつかの種類がありますが、いずれも注射剤です。最近では週1回の注射で優れた効果を示すペグインターフェロンという新しい製剤も登場しています。リバビリンは単独で使用しても効果がありませんが、インターフェロン、ペグインターフェロンとの併用でウイルス排除効果をより増強する内服薬です。

1.ペグインターフェロン ・リバビ リン併用療法

ペグインターフェロンは、インターフェロンにポリエチレングリコール(ペグ)いう物質を結合させ、インターフェロンの血中濃度を長時間安定に維持し、週1回の注射(皮下注射)で優れた効果が得られるように作られた新しいインターフェロン製剤です。リバビリンは単独使用ではウイルスを排除する力はほとんどありませんが、インターフェロンと併用することによりそのウイルス排除効果を増強します。インターフェロン療法の開始と同時に服用を始め、1日2回朝夕食後、24~72週間服用します。ペグインターフェロン製剤には、ペグインターフェロンアルファ-2bとペグインターフェロンアルファ-2aの2剤があります。ペグインターフェロン・リバビリン併用療法はウイルス遺伝子型(ジェノタイプ)1型(セログループ1)でウイルス量の多い患者さんに用います。インターフェロン単独療法が効きにくいウイルス遺伝子型(ジェノタイプ)1型(セログループ1)で、ウイルス量の多い患者さんにペグインターフェロン・リバビリン併用療法を48週間続けたところ、50~60%の患者さんでウイルスが排除が可能でした。従来のインターフェロン単独療法(2~5%)やインターフェロン・リバビリン併用療法(20~30%)に比べてはるかに高い効果が期待できます。また、1型でウイルス量の低い患者さんや2型の患者さんでは約90%とウイルス排除効果が高まっています。

2.インターフェロン療法

患者さんの体調や合併した病気の状態によってはリバビリンとの併用療法を受けられない場合もあり、インターフェロン単独の長期治療を考慮します。C型慢性肝炎に使用されるインターフェロン製剤にはインターフェロンアルファ(遺伝子組み換え型・天然型)とインターフェロンベータ(天然型)があり、前者の遺伝子組み換え型製剤には、アルファ-2a、アルファ-2b、アルファコン-1の3製剤があります。投与方法は、インターフェロンアルファ製剤では最初の2~4週は毎日、その後は週3回のペースで筋肉内もしくは皮下注射します。ウイルスの完全消失と肝機能の改善が得られた人では未治療の人に比べて明らかに肝がんの発生率が低く、またウイルスの完全消失が得られなくても治療中肝機能が改善された場合は、肝硬変や肝がんへの発展・進行が抑えられます。

対症療法

ウイルスを体内から排除する効果はありません。肝炎の沈静化を目的として肝機能〔AST(GOT)とALT(GPT)〕を改善します。グリチルリチン配合剤(注射薬)またはウルソデオキシコール酸(内服薬)が主に使用されます。

C型慢性肝炎の治療方針

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アルコール性肝障害

●アルコール性肝障害の概念
大量かつ常習的なアルコール摂取に基づく肝障害がアルコール性肝障害です。初期にはアルコール性脂肪肝を呈し、進行とともに肝細胞壊死と炎症を伴うアルコール性肝炎からアルコール性肝硬変にまで進展します。常習飲酒家、大酒家が急激に飲酒量を増やすことで生じるアルコール性肝障害の1つがアルコール性肝炎です。一般的には患者はアルコール依存症に陥っており、男性に高頻度にみられます。

アルコール性肝障害の診断
・アルコール摂取歴
常習飲酒家(1日3合、5年以上)や大酒家(1日5合以上)

・症状
腹痛、発熱、黄疸、嘔吐、下痢、意識障害、肝腫大など

 

・血液検査
AST優位(AST>ALT)のトランスアミナーゼ上昇、γ-GTPの著明な上昇、
白血球数上昇、アルカリホスファターゼ上昇、総ビリルビン上昇など

・肝生検
肝細胞の変性・壊死、肝細胞の膨化(風船化)、マロリー小体(アルコール硝子体)、多核白血球浸潤など


●アルコール性肝障害の治療

・治療の基本は禁酒です。
・栄養療法:ビタミンB1などの栄養補給、輸液(脱水補正)
・アルコール依存者には嫌酒薬(シアナマイド)を投与します。
・肝庇護療法:グリチルリチン製剤、ウルソデオキシコール酸(UDCA)
・治療の基本は禁酒です。
・栄養療法:ビタミンB1などの栄養補給、輸液(脱水補正)
・アルコール依存者には嫌酒薬(シアナマイド)を投与します。
・肝庇護療法:グリチルリチン製剤、ウルソデオキシコール酸(UDCA)

 

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アルコール性脂肪肝

●アルコール性脂肪肝の概念
肝臓に中性脂肪がたまった状態です。主な原因は、食べすぎ・運動不足などによる肥満、アルコールの飲みすぎ、糖尿病です。

アルコール性脂肪肝


●アルコール性脂肪肝の症状
特別な症状はありません。健康診断で肝臓の機能をみるGOT値、GPT値の異常に加えて中性脂肪が高い場合は脂肪肝の可能性が考えられます。超音波検査をすると,肝臓が白っぽくみえるので、簡単に診断することができます。

●アルコール性脂肪肝の治療
アルコール性脂肪肝の場合は肝硬変の危険性が高いため、禁酒をはじめとする治療が必要です。それ以外の脂肪肝では、まずは生活習慣の見直しを行いましょう。
脂肪肝そのものは怖い病気ではありませんが、脂肪肝をつくった原因への対応が必要です。バランスのよい食事、適量の飲酒を心がけ、肝機能がよくなったら軽い運動を始めましょう。糖尿病の方は,糖尿病自体の治療も必要になります。
B型肝炎、C型肝炎などに感染していなくても、またアルコール性でなくても、NASHなど肝臓がんに急速に進展する病態も近年わかっているので改善するどりょくが必要です。

 

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非アルコール性脂肪肝疾患

●非アルコール性脂肪肝疾患の概念
近年、明らかな飲酒歴がないにもかかわらずアルコール性肝障害に類似した脂肪性肝障害を認める病態を非アルコール性脂肪肝疾患(nonalcoholic fatty liver disease:NAFLD)と総称しています。
メタボリック症候群の肝臓における一つの表現型であるといえます。肥満や糖尿病の方の中にもみられるので注意が必要です。
NAFLDは単純性脂肪肝と非アルコール性脂肪肝炎(NASH)に分類され、高率にインスリン抵抗性を合併しています。
脂肪肝は肝細胞中に中性脂肪(トリグリセライド)が蓄積した状態で、組織学的に肝細胞の1/3以上に脂肪滴が認められます。原因としては、アルコール、肥満、糖尿病、薬剤などが多くみられます。
また、NAFLDのなかで組織学的に壊死・炎症、線維化などを認めるものを非アルコール性脂肪肝炎(NASH)と呼び、肝硬変に進展し、肝細胞癌を合併することがあり、脂肪沈着のみの単純性脂肪肝と区別しています。

非アルコール性脂肪肝疾患の症状
ほとんどが無症状

●非アルコール性脂肪肝疾患の検査
・血液検査
トランスアミナーゼ軽度上昇(アルコール性脂肪肝→AST優位、NAFLD→ALT優位)、コリンエステラーゼ(ChE)上昇、総コレステロール(T.Chol)あるいは中性脂肪上昇、肝炎ウイルスマーカー陰性、自己抗体陰性

・画像検査
超音波検査
肝腎・肝脾コントラストの上昇、深部エコーの減衰、bright liver、肝内血管の不明瞭化を呈します。
非アルコール性脂肪肝疾患

・肝生検
また、単純性脂肪肝と非アルコール性脂肪肝炎(NASH)との鑑別には肝生検が有用です。肝細胞の30%以上に脂肪の沈着がみられるものは脂肪肝と診断されます。
非アルコール性脂肪肝炎では大滴性脂肪肝とともに中心静脈周囲の肝細胞風船様腫大、マロリー小体の出現、肝細胞周囲性・中心静脈周囲性の線維化が特徴的です。
非アルコール性脂肪肝疾患


●非アルコール性脂肪肝疾患の治療
脂肪肝は基本的に可逆性病変であるため、食事療法、運動療法を行ったり、原因を除去(禁酒など)することにより治療可能です。
非アルコール性脂肪肝炎では肥満、糖尿病、脂質代謝異常症、高血圧などを合併する例が多いため、これらの治療を行う必要があります。

 
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胆石症

●胆石症とは
胆のうや胆管の中に石ができる病気です。

・胆石は、コレステロールや胆汁の成分などが固まったものです。

 

胆石は、主に「胆のう」という胆汁を蓄える臓器の中にできます。
成分は、コレステロールや肝臓の排出物であるビリルビンが代表的です。
コレステロールは通常胆汁中に溶けていますが、量が増え胆汁中に溶けていられなくなると胆石になります。
ビリルビンは細菌の影響で胆石になることがわかっています。
そのほか、「胆道」や「肝臓の胆管」に胆石ができることもあります。
胆のう症とは

 

●胆石症の検査
主に腹部超音波検査(エコー検査)や、CTスキャン、MRI・MRCPという苦痛を伴わない安全な画像検査で調べます。

 

胆石症の検査

腹部超音波検査(エコー検査)画像

胆石症の症状
食後のみぞおち辺りに痛みや違和感があります。
  多くは無症状ですが、症状に気づかないことも・・・

 

最近は、健康診断のときに「胆石症」と診断される人が多いことからも、多くの人は症状のあるなしに気づいていないことがあります。ときには症状に慣れてしまって異変として気づいていない人もいます。
胆石による症状は、食後に感じることが多く、次のようなものです。
胆石症の症状

・将来、激しい痛みなどで手術が必要になることも・・・
・胆石と診断されて、左の症状が思い当たる方は、将来、激しい上腹部の痛み「疝痛発作」や「胆のう炎」などに進行して、手術が必要になる危険性があります。

また、胆のう癌になる方は胆石を持っていることが多く、胆石は胆のう癌の発生に関係する可能性が疑われています。定期的に腹部超音波検査などで経過観察が必要です。

胆石の症状かな?と思った方は、一度医師に相談しましょう。

胆石症の治療
胆のうの胆石の治療には、溶解療法・手術・体外衝撃波破砕療法があります。

1.溶解療法

・主に「ウルソデオキシコール酸」による薬物治療です。


 

このお薬は、コレステロールでできた胆石を溶かす効果があります。胆石の大きさ、種類によって石の溶け方は異なり、個人差があります。
半年~1年間くらいは服用して効果をみる必要があります。
また、溶けるのが遅くても、痛みなどの症状を抑えたり、起こしにくくする作用がありますので、根気よく服用することが大切です。
主に「ウルソデオキシコール酸」による薬物治療です。

2.手術

・手術で石を胆のうごと取り出します。

 

お腹の4ヶ所から器具を入れてカメラで観察しながら胆のうを切り離し、体外へ取り出す「腹腔鏡下胆のう摘出術」が広く行われています。
傷はほとんど残らず、ほとんどの方が1週間程度で退院できます。
胆のうは取ってしまっても特に問題はありませんが、腹痛や膨満感、下痢、胸やけなどが起きる人もいます。
手術で石を胆のうごと取り出します。

3.体外衝撃波破砕療法(ESWL

体外から衝撃波を当てて石を砕きます。

 

特殊な装置を用い、体外から石に向けて衝撃波を当て細かくする「体外衝撃波砕療法」があります。
コレステロールの胆石に効果があります。1回の治療は40分程度で痛みもそれほどありませんが、入院して治療を行う場合もあります。
体外衝撃波砕療法(ESWL)

※胆石症 診療ガイドライン2009

無症状の胆嚢結石症治療

有症状の胆嚢結石症治療

●胆石症の予防法

・脂肪・糖分控えめの規則正しい食生活が大切です。

 

中年以降の太った人、多産の人、女性、美食家、血縁者に胆石症が多い人、コレステロール値が高い人、糖尿病の人などは要注意です。
また、急激なダイエットをした人、1日中座っていることが多い人なども胆石ができやすいといわれています。
胆石症の予防法胆石症の予防法

・栄養素をバランスよく摂取することが食生活の基本です。

 

最近多いコレステロール系の胆石は、糖質や脂質の摂りすぎが大きな原因の1つです。
栄養素をバランスよく摂取することが基本です。
食べすぎ、飲みすぎ、過労など、体のバランスを壊す不規則な生活も注意しましょう。
さらに胆石のある人はひどい痛みの発作を起こさないために、脂っこい食事は控え、脂っこくなくても一度に大量の食事をとりことが控えましょう。

栄養素をバランスよく摂取することが食生活の基本です。

・適度な運動は、胆汁の流れを良好にし、体重コントロールにも有効です。

仕事で1日中座っている、テレビを見ている時間が長いなどあまり体を動かすことなく座っていると胆石ができやすい体になります。
ウォーキングや水泳など適度な有酸素運動は胆石をできにくくするとともに、ストレス解消、体重コントロールにも役立ちます。
適度な運動は胆汁の流れを良好にし、体重コントロールにも有効です。
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胆嚢がん

●胆嚢がんの概念
胆嚢癌は、早期では症状が少なく、そのため発見時にはすでに転移・浸潤が進み、根治が難しい場合が多くみられます。高齢の女性に多く、しばしば胆石症を合併しています。症状は、食欲不振や体重減少、進行すると黄疸、上腹部疼痛、右季肋部腫瘤などがみられます。

●胆嚢がんの検査
・腹部エコー像
まず胆管の拡張があるかどうかを検査します。拡張した胆管内に腫瘤像が認められれば腹部エコーにて描出できます 。

胆嚢がん 胆嚢がん 胆嚢がん
胆嚢癌(腹部超音波) 
胆嚢癌(MDCT)
胆嚢癌(血管造影)



・超音波内視鏡(EUS)像
EUSは、癌の深達度を見るのに有用な検査法です。肝床部を観察することで、肝臓への浸潤や深達度、リンパ節転移の有無などを確認することができます。
 

胆嚢がん

胆嚢癌(EUS)



●胆嚢がんの治療
胆道系の癌は、手術療法が唯一の根治治療になります。近年ではGemcitabineやS-1などの出現によって、積極的に化学療法もおこなわれています。

●胆嚢がんの手術
早期癌(m,mp層)では、胆嚢摘出術を行います。進行癌(ss以深)では高率にリンパ節転移を認めるため、胆摘+肝部分切除+リンパ節郭精を行う拡大胆摘術や、さらに必要に応じて胆管切除、肝区域切除、肝右葉切除も行います。
 
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胆管がん

●胆管がんの概念
胆管癌は、黄疸、発熱を初期症状とすることが多いですが、無痛性の胆嚢腫大を伴うことがあります。これがCourvoisier症候です。Courvoisier症候は、三管合流部より下流の胆管が閉塞し胆嚢に胆汁がたまることで起きる、無痛性の胆嚢腫大です。また、胆管癌には、膵胆管合流異常症を背景としたものもあります。

●胆管がんの検査
・腹部エコー像
まず胆管の拡張があるかどうかを検査します。拡張した胆管内に腫瘤像が認められれば腹部エコーにて描出できます。

ERCP像
逆U字型閉塞、V字型閉塞、不整狭窄といった形態で描出され、病変の占拠部位や狭窄部位の性状を診断することができます。また、生検やブラシ細胞診などによって組織学的診断を行うことができます。

 

胆管がん 胆管がん 胆管がん
胆管癌(MDCT) 
胆管癌(MRCP)

胆管癌(ENBD造影)


・超音波内視鏡(EUS)像
EUSは、癌の深達度を見るのに有用な検査法です。肝床部を観察することで、肝臓への浸潤や深達度、リンパ節転移の有無などを確認することができます。
 

●胆管がんの治療
胆道系の癌は、手術療法が唯一の根治治療になります。近年ではGemcitabineやS-1などの出現によって、積極的に化学療法もおこなわれています。

●胆管がんの手術
胆管が拡張し、黄疸や著明な肝機能障害を認めた場合は、通常は胆道ドレナージを行います。肝門部・上部胆管癌では、肝葉切除、中部胆管まで切除、胆摘を行います。中部胆管癌では、胆管切除、肝門部肝切除、膵頭十二指腸切除を行います。下部胆管癌では、膵頭十二指腸切除を行います。

胆管がん
 

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急性膵炎

●急性膵炎とは

急性膵炎は、膵臓の突然発症する炎症で、軽症のものから生命にかかわるものまでありますが、通常は治まります。急性膵炎で入院するケースの80%近くは、胆石とアルコールの乱用が原因です。
胆石による急性膵炎は、女性の方が男性の約1.5倍多く経験します。正常な状態では、膵臓は膵管を通して十二指腸に膵液を分泌します。膵液は不活性型の消化酵素と、酵素を不活性化している抑制物質を含み、消化酵素は十二指腸に入ると活性化します。Oddi(オッディ)括約筋に胆石が詰まって膵管が閉塞すると、膵液の流れが止まります。この閉塞は一時的なことが多く、ダメージは限られたものですぐに回復します。しかし、閉塞が長びくと膵臓に活性化した酵素が蓄積し、それが抑制物質を上回ると、膵臓の細胞を消化して重症の炎症を起こします。毎日、少なくとも約60ミリリットルのアルコール(ワインならボトル半分、ビール小びん4本、蒸留酒なら150ミリリットル)を数年飲み続けると、膵管に分泌する膵臓の小管を詰まらせ、最終的に急性膵炎を起こします。急性膵炎の発作には、過度のアルコール摂取や食事の取りすぎが誘因となっていることが多くみられます。他にもさまざまな状態で急性膵炎は起こります。膵臓を刺激する薬はたくさんあります。通常は服薬を中止すると、炎症は治まります。ウイルスも膵炎を起こすことがありますが、長びかないのが普通です。
アルコール性の急性膵炎では重症化することが多く、注意を要します。

急性膵炎の原因

・胆石
・アルコール乱用
・フロセミドやアザチオプリンなどの薬
・脂質異常症でエストロゲンを使用した場合
・上皮小体機能亢進と高カルシウム血症
・おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)
・脂質異常症(特に中性脂肪)
・手術や内視鏡検査による膵臓の損傷
・とがっていないものまたは穿孔による膵臓の損傷
・膵臓癌
・膵臓への血流量の減少、たとえば極度の血圧低下など
・遺伝性膵炎
・腎移植


膵炎の成因と病因

このような状態がつづくとすい臓は疲れてしまいます

●急性膵炎の症状

いわゆる膵臓痛について

アルコール性膵炎 胆道原生膵炎

急性膵炎の原因
1.腹部単純X線
腸管や後腹膜への炎症の波及を判断できますが、膵炎の特異的検査ではありません。

腹部単純X線

2.腹部超音波検査(US)
膵臓の腫大や胆道系の異常所見、胸水・腹水の貯留を判断できます。

腹部単純X線

左右の写真で4つの矢印で囲まれた部分は同じ部分を表しています。右側では膵臓が炎症のために浮腫(むくみ)を起こし大きくなっています。また膵臓の内部も左側より白いところ黒いところと不均一になっています。

3.コンピューター断層撮影(CT)
腹部超音波検査と異なり、肥満に伴う脂肪組織や、腸管ガス、肋骨などに制限されることのない断面像が得られ、診断的価値が大変高い検査です。

コンピューター断層撮影(CT)

膵臓が腫脹しています。 膵実質が破壊しています。 炎症が腹部全体に広がっています。
※この中で腹部CT検査は最も有用で、重症度判定基準にも採用されています。

4.ERCP(内視鏡的逆行性胆管膵管造影)

内視鏡的逆行性胆管膵管造影のことです。ファーター乳頭開口部よりカテーテルを挿入して、造影剤を注入し、膵管や胆道を造影します。膵管造影、胆道造影、十二指腸内視鏡検査が同時に行えます。また、観察だけでなく、必要時には、そのまま、乳頭部切開などの内視鏡的治療を行うこともできます。

ERCP(内視鏡的逆行性胆管膵管造影)
慢性膵炎確診例の膵管像

4.MRCP

MRI装置による胆管膵管造影のことです。ERCPに類似した画像を非侵襲的に得られます。現在は胆管や主膵管を描出できるレベルですが、今後の機器の発達によってより微細な構造を描出できることが期待されています。
2001年の慢性膵炎診断基準ではMRCPが新たな診断法として採用されています。

 

ERCP(内視鏡的逆行性胆管膵管造影)
MRCP(正常例):矢印が主膵管、矢頭が総胆管

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膵臓がん

●膵臓がんとは

膵臓がんとは膵臓にできる悪性腫瘍のことです。膵臓がんの患者は年々増加傾向にあり、2005年に厚労省が行った臓器別がん死亡数では、男女全体で肺がん、胃がん、大腸がん、肝臓がんに次いで第5位となっています。
男女別では、男性が第5位、女性が第6位で、男女差はあまりないといえます。い臓はお腹の奥深くにあることや、初期のがんでは症状があまり見られないことが発見を遅らせており、発見された時点ですでに進行が進んでいることが多々あります。実際、患者さんの多くが発見から2年以内に亡くなっています。しかし、最近では超音波、CTやMRI・MRCPなどの画像診断技術が格段に向上しており、2cm以内の小さながんでも発見できるようになってきました。さらに治療方法も日々進歩しており、日本膵臓学会より診療ガイドラインが発表されるなど、医学的根拠に基づいた診断や治療が行われるようになっています。
膵臓がんのおよそ95%が腺がんです。腺がんは通常、膵液を運ぶ膵管を構成する細胞に発生します。そのほとんどが膵頭部に発生します。ここは小腸(十二指腸)に最も近い部分です。米国では膵臓の腺がんの発症は増加傾向にあり、年間約10万人に10人の割合で発症しています。腺がんは50歳未満の人に発症することはあまりなく、発症の平均年齢は55歳です。女性よりも男性が2倍近く多く発症がみられます。ヘビースモーカーは喫煙しない人と比べて2~3倍近く多く発症しています。
糖尿病の人も、慢性膵炎の人も、膵臓がんを発症するリスクが高くなります。糖尿病と診断がついた際には、また糖尿病のコントロールが急に悪くなったときには超音波、CTやMRI・MRCPなど画像診断で膵臓がんがないか精査を受けることをおすすめします。


急性膵炎とは

膵臓がんの好発部位

膵臓は膵頭部、膵体部、膵尾部に分けられ、すい臓がんも発生する部位により、膵頭部がん、膵体部がん、膵尾部がんに分類されます。このうち、最もすい臓がんが発生しやすいのが膵頭部で、全体の60%を占めています。次いで膵体部が30%、膵尾部が10%となっています。さらに膵臓組織の中でも、膵臓の中を通っている膵管に発生しやすいという特徴があります。
膵管がんは膵臓がんの約95%を占めており、すい臓の実質である腺房細胞由来のがんは3~5%にすぎません。

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当院の診断・治療の流れ

当院では、迅速な診断・治療を実践しております。受診時に患者さんの訴えをマルチプルかつ迅速に判断し、そのために必要最適な検査を実施します。ファーストアプローチで、いかに迅速な診断・検査・治療を実施できるかで、患者さんの運命を変えるか、医師としての力量が問われるといわれています。

当院では、急性期から慢性期までの幅広い疾患治療を実施しております。また、患者さんの待ち時間の軽減および診療をスムースに進めるため、受付にて自動チェックインを行っております。

受付で、チェックインが行われると、電子カルテ上に患者さんのデータが読み込まれ、今までの病状の履歴やレントゲン・CT・MRI画像とも連動して、スムースに診察を受けることができます。また、受診終了後、診察室から待合室への移動している間に、処方箋や会計処理も行われ、ストレスなく受診していただくことができます。

当院における診断・治療の流れ
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